徒然CURIOSISM

学びクリエイター朝森久弥とサークル「CURIOSIST」のブログです。

夏のメガ超同人祭サークル参加情報

同人サークルCURIOSISTは、2021年8月21日・22日にメロンブックスで開催されるイベント「夏のメガ超同人祭」にサークル参加します。

 

夏のメガ超同人祭は、同人誌即売会の体裁をしたメロンブックスの販促イベントです。リアル会場(店舗)とエアイベント会場(特設通販ページ)の2ヶ所で各サークルの創作物を買うことができます。会計をするのはあくまでメロンブックスで、会場に私はいません

イベントの詳細は以下のページもご参照ください。

www.melonbooks.co.jp

CURIOSISTは夏のメガ超同人祭で、以下3点の同人誌を頒布します。

・『教科書 日本オタク文化 上巻』990円(税込)

www.melonbooks.co.jp

・『教科書 日本オタク文化 下巻』1320円(税込)

www.melonbooks.co.jp

・『進学校Map 三訂版 vol.1[中国・四国・九州編]』1430円(税込)

www.melonbooks.co.jp

作品の内容の詳細は、上にそれぞれ貼り付けたメロンブックスのページをご覧いただきたいのですが、これらはあくまで通常通販のページであることに注意してください。夏のメガ超同人祭では特別に、通常通販よりも作品の価格を安くしています

 

通常通販価格→夏のメガ超同人祭価格

『教科書 日本オタク文化 上巻』1,100円→990円

『教科書 日本オタク文化 下巻』1,650円→1,320円

進学校Map 三訂版 vol.1[中国・四国・九州編]』1,815円→1,430円

  

夏のメガ超同人祭は、リアル会場とエアイベント会場の2ヶ所で開催すると言いました。

リアル会場で買いたい人は、8月21日・22日の11時~20時にメロンブックス秋葉原店5Fのイベントスペースに行ってください。CURIOSISTは「祭29」に配置されています。具体的な位置は、次のページの「2回目」を開いて見つけてください。

www.melonbooks.co.jp

メロンブックスの担当の方には、次のようなポスターをCURIOSISTのサークルスペースに掲げてもらうよう依頼しています。

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「夏のメガ超同人祭」CURIOSISTのポスター

エアイベント会場で買いたい人は、8月21日・22日の11時~23時59分に、エアイベント会場の特設サイトにアクセスし、CURIOSISTのページを探してください。エアイベント会場の特設サイトは、開催時間になったら夏のメガ超同人祭トップページからアクセスできるはずです。

エアイベント会場で購入した場合の送料も通常通販とは異なり、メール便なら297円(税込)とのことなので、大体の場合で通常通販で買うよりお得だと思われます。

 この記事の上に貼り付けた各作品の内容紹介ページは、あくまで通常通販用のページなので、夏のメガ超同人祭の特別価格で買いたい人は、エアイベント会場の特設サイト経由で購入するようにしてください。

 

このイベントの趣旨は、今年の夏にコミックマーケットが開かれない代わりに、サークルに新刊を発行する機会を提供するというものです。しかし、CURIOSISTが今回出す同人誌はすべて既刊です。それでも参加するのは、秋葉原というオタクの聖地で『教科書 日本オタク文化』が売っているのを見たら、興味を持つ人がいるかもしれないと思ったからです。

 

どうぞこの機会に、CURIOSISTの同人誌をお買い求めくださいませ。

選挙情勢報道は当たるのか? ~都議選2021を例に~

2021年7月4日、東京都議会議員選挙の投票・開票が行われました。

東京都内の有権者の皆さま、お疲れ様でした。

108ある趣味のうち「選挙」がトップ10に入る私は、当然、都議選にも告示前から開票まで注目し続けていました。世間の予想を結構外してくる結果になりましたね…。

 

さて、日本の選挙では一般的に、投票日前に情勢報道なるものが行われます。これは、新聞社などが有権者世論調査を行い、その結果からどの候補が当選に近いかを報道するものです。公職選挙法138条で選挙での「人気投票の公表」が禁止されている関係で、明確な数字ではなく、「優勢」や「追いかける」といったあいまいな言葉で優劣を表現する習わしになっています。

ただ、そうした言葉遣いには一定の傾向があり、言葉遣いをつぶさに見ると、世論調査の結果が透けて見えることが知られています。このあたりの詳細は三春充希氏の『武器としての世論調査』第九章をご参照ください。

www.chikumashobo.co.jp

 

今回の都議選で選挙区ごとに情勢報道を行ったのは、毎日新聞だけでした。この結果は三春充希氏がnoteにまとめています。 

note.com

私は入れるかどうか悩む候補が2人いたので、この情勢報道を見て、より当選が危うそうと思われる方に投票しました。実際は、私が投票しなかった方が、投票した方よりも順位が低かったのですが…。

もちろん、情勢報道はあくまで選挙当日より前の世論調査によるので、統計の揺れもありますし、世論調査後の情勢次第では結果が変わることがあります。そこで、今回の毎日新聞の情勢報道がどれだけ当たっていたのか、あるいは実際の結果とどのように食い違っていたのかを検証してみようと思います。

 

検証方法

三春充希氏のnoteにまとめられた毎日新聞の情勢報道結果を読み、立候補者を次の5パターンに分類します。

私は教育クラスタ(より正確には大学受験クラスタ)でもあるので、大学入試模試風にしてみました。

 

A判定:安全圏。情勢報道で定員内に入っていて、かつ三春氏による分類で「B+」以上の情勢表現が使われている候補。

B判定:当選圏。A判定ではないが、情勢報道で定員内に入った候補。

C判定:可能圏。同じ選挙区のB判定の候補と同一の情勢表現が使われているが、定員外の候補。

D判定:努力圏。情勢報道で名前は挙がったものの定員外で、C判定でもない候補。

E判定:情勢報道で名前自体が挙がらなかった候補。

 

たとえば台東区の場合を見てみましょう。

 1番目に名前が掲載され、「一歩リード(支持固め)」と表現された鈴木候補をA判定としました。2~4番目の中山・保坂・小柳候補はいずれも「激しく競り・追う」という同一の表現ですが、2番目に名前が掲載され、定員内に入っている中山候補をB判定とし、保坂候補と小柳候補をC判定としました。定員外で「苦戦」と表現されている柴田候補はD判定、名前自体が挙がらなかった武田候補・津村候補はE判定としました。

 

この判定と、実際の選挙結果を比較して、判定別の候補者の当選率を比較しました。

 

検証結果

都議選の全42選挙区271人の候補を分類すると、次のようになりました。なお、政党名の略称はNHKの開票速報に合わせています。また、無投票で当選が決まった小平市の2候補はA判定に分類しました。

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都議選2021候補者を情勢報道で5段階判定した結果

もし、情勢報道が100%的中したとしたら、A判定とB判定の候補が当選することになります。そうすると、

都民:16議席

自民:50議席

公明:17議席

共産:21議席

立民:18議席

維新:1議席

ネット:2議席

無所属・他:2議席

となっていました。

これは、選挙前に報道されていた「自公で過半数超の見込み」とも合致するものです。

しかし現実はそうならず、A判定とB判定の候補から落選者が、C判定とD判定の候補から当選者が相次ぎました。

f:id:asamorihisaya:20210705203026p:plain

都議選2021の情勢報道による判定別当選者数

全体で見ると、

A判定:45候補のうち、36候補が当選(当選率80%

B判定:82候補のうち、62候補が当選(当選率76%

C判定:26候補のうち、15候補が当選(当選率58%

D判定:55候補のうち、14候補が当選(当選率25%

E判定:63候補のうち、0候補が当選(当選率0%

となりました。

A判定とB判定の差が微妙ですが、判定が良いほど当選率が高い傾向にあるのは確かなようです。また、E判定の候補は全員落選していることから、当選の目がない候補を見抜く程度の信憑性はあると考えられます(無所属でまったく無名ならともかく、国政政党候補にもE判定を出しているのはさすがですね)。

 

政党別の情勢

判定が良いほど当選率が高い傾向と言いましたが、実際には政党によってバラツキがあります。具体的には、都民ファーストの会(都民)と公明党(公明)は不利な判定を覆して逆転当選した候補が多く、自由民主党(自民)は有利な判定だったがまさかの落選を喫した候補が多かったのです。このあたりを詳しく見てみましょう。

 都民ファーストの会(都民)

判定別の当選率は次の通りでした。

A判定:1候補のうち、1候補が当選(当選率100%

B判定:15候補のうち、12候補が当選(当選率80%

C判定:11候補のうち、9候補が当選(当選率82%

D判定:17候補のうち、9候補が当選(当選率53%

E判定:3候補のうち、0候補が当選(当選率0%

C判定とD判定からの当選率が、全体よりも高くなりました。毎日新聞の情勢報道は6月29日に発表されましたから、その後から投票日の7月4日にかけて勢いが増したことが見て取れます。

また、A~D判定だった44候補のうち、情勢報道に比べて投票結果での順位が上がったのは26候補、変わらずだったのが13候補、下がったのは5候補でした。上がった候補にはB~D判定の候補がまんべんなく含まれており、党全体の勢いが底上げされた結果となりました。

自由民主党(自民)

判定別の当選率は次の通りでした。

A判定:27候補のうち、18候補が当選(当選率67%

B判定:23候補のうち、14候補が当選(当選率61%

C判定:3候補のうち、0候補が当選(当選率0%

D判定:6候補のうち、1候補が当選(当選率17%

E判定:1候補のうち、0候補が当選(当選率0%

すべての判定の当選率が、全体の当選率以下になりました。D判定からの逆転当選は1人だけあったものの(八王子市の西山候補)、その他は全体的に勢いが落ち込み、A判定・B判定だった候補が次々と落選しました。

A~D判定(無投票を除く)だった58候補のうち、情勢報道に比べて投票結果での順位が上がったのは5候補、変わらずだったのが13候補、下がったのは40候補でした。情勢報道ではA判定で1位だったのに、6位でギリギリ当選したり5位で落選したりした事例もありました。

公明党(公明)

判定別の当選率は次の通りでした。

A判定:8候補のうち、8候補が当選(当選率100%

B判定:9候補のうち、9候補が当選(当選率100%

C判定:5候補のうち、5候補が当選(当選率100%

D判定:1候補のうち、1候補が当選(当選率100%

奇跡ですね。実際、公明党代表の山口氏も奇跡的と表現しています。日経新聞の記事の写真を見ると、「落選者が出ることを真剣に覚悟していたが、全員当選で安堵した」感が現れています。

www.nikkei.com23候補のうち、情勢報道に比べて投票結果での順位が上がったのは12候補、変わらずだったのが7候補、下がったのは4候補でした。ここでポイントなのは、C判定・D判定の候補は全員順位を上げたのに対し(当選したのだから当然ですね)、下がった候補は全員B判定だったことです。つまり、公明党は限られたリソースを劣勢だった候補に的確に割り振り、情勢報道後の追い上げに成功したことを示しています。

日本共産党(共産)

判定別の当選率は次の通りでした。

A判定:3候補のうち、3候補が当選(当選率100%

B判定:18候補のうち、16候補が当選(当選率89%

C判定:3候補のうち、0候補が当選(当選率0%

D判定:7候補のうち、0候補が当選(当選率0%

当選者はA判定・B判定からしか出ていません。劣勢であっても逆転当選を目指す公明党とは異なり、言い方は悪いですが、“立候補することに意義がある”候補がはっきりしているのが特徴と言えます。逆に、勝てる候補は確実に勝ちに行く感じです。B判定で落選した2候補は、それぞれ354票差、6票差という僅差でした。

31候補のうち、情勢報道に比べて投票結果での順位が上がったのは8候補、変わらずだったのが17候補、下がったのは7候補でした。

立憲民主党(立民)

判定別の当選率は次の通りでした。

A判定:6候補のうち、6候補が当選(当選率100%

B判定:12候補のうち、7候補が当選(当選率58%

C判定:2候補のうち、1候補が当選(当選率50%

D判定:8候補のうち、1候補が当選(当選率13%

逆転当選があった一方で、B判定での当選率が比較的低く、取りこぼしが起きています。党全体として、情勢報道以降に勢いが増したとは言い難いでしょう。

27候補(無投票を除く)のうち、情勢報道に比べて投票結果での順位が上がったのは5候補、変わらずだったのが11候補、下がったのは11候補でした。

その他の政党・無所属候補

日本維新の会(維新)から1人、東京・生活者ネットワークから1人、無所属候補から24人当選者が出ていました。この4人は全員B判定でした。C判定以下の候補は全員落選しており、逆転当選はありませんでした。6人のうち4人はB判定、2人はD判定からの逆転当選です。逆転当選した2人のうち、品川区の森沢候補は2019年まで都民ファーストの会に所属しており、小金井市漢人候補は共産・立民などが推薦したいわゆる野党統一候補でした。

 

まとめ

今回の毎日新聞の情勢報道に限れば、大まかな傾向をつかむ上で、情勢報道には一定の信憑性があると考えられます。もっとも、情勢報道から実際の投票日までの間に情勢は変わり得て、A判定でも2割が落選し、D判定でも4分の1が当選していることから(大学入試模試と似ていますね)、D判定以上なら、逆転当選を狙う意義は大いにあると言えます。情勢報道が出た時点で当落が決まっているとは意外と言い切れず、だからこそ、各陣営は最後の最後まで選挙運動に真剣に打ち込んでいるのでしょう。

情勢報道の是非は色々論じられていますが、各陣営の選挙運動にはもちろん、有権者が投票先を戦略的に選ぶ上で貴重な情報であり、これからも必要とされ続ける情報だと思います。

 

更新情報

(2021年7月7日)コメントにて「品川区民」さんからご指摘いただいた通り、無所属候補に関する記述に誤りがありましたので修正しました。修正前の記述は打消し線、修正後の記述には下線を引いてあります。ご指摘に感謝するとともに、不正確な記述をして申し訳ありませんでした。

マイベストブック2020

毎年年始恒例となっている朝森久弥の「マイベストブック」。この記事では、2020年に読んだ本のうち、私の人生に特に影響を及ぼした本を紹介します。
マンガ部門とマンガ以外部門に分けて発表します。

 

マンガ部門

 2.5次元の誘惑(リリサ)

2.5次元の誘惑 1 (ジャンプコミックス)

2.5次元の誘惑 1 (ジャンプコミックス)

  • 作者:橋本 悠
  • 発売日: 2019/10/04
  • メディア: コミック
 

 好きなものを好きで居続ける若人の生き様!

率直に言うと、このマンガの連載がジャンプ+で始まった当初は「まーた量産型エロコメが始まったか」と手を出さずじまいでした。絵柄はドストライクなんですが、この手のマンガは周囲に隠れて読むもので、バレたらなんか気恥ずかしい…みたいな思春期男子ムーブを発動していたのです。それでも、pixivコミックで無料公開されていたのを軽い気持ちで読み進めてみたら、まんまとハマってしまいました。まず、幼なじみヒロイン・美花莉がめっちゃ健気!そして主人公・奥村のオタク強度高すぎ!このマンガにおけるお色気要素はあくまでスパイスで、コスプレに打ち込むオタクたちの熱血青春譚は、一周回って少年ジャンプの王道展開そのものです。

…ここまでの経緯は多くの『2.5次元の誘惑』ファンがたどってきた道筋だと思いますが、私個別の推しを挙げると、やはりコスプレーヤー753(なごみ)ですね。753はコスプレが好きすぎてコスプレを仕事にした女子で、好きを仕事にした人間ならではの苦しみを味わい思い悩みます。彼女がヒロイン・リリサのリリエルに出会って自分を取り戻す流れは激熱なんですけども、その節々に現れる753のプロ根性、そしてコスプレに愛を注ぐさまが、私たちが大切にしたい何かを呼び起こしてくれるのです。好きなものを好きで居続けるのは簡単なことではないかもしれないけど、一生を賭して挑む価値があるものだということを。

このマンガの題材は「コスプレ」であり、著者がこの題材を扱えるだけのオタク(ここでは、日本オタク文化の愛好者という意味)に対する造詣の深さを有していることは、少し読めばすぐわかることです。私たちオタク(とくに2021年現在アラサーあたりの)が経験してきたであろうこと、感情をことごとく拾い上げ、それらへのメッセージを説教臭くなく発信する構成力の高さには脱帽せざるを得ません。私は2020年に『教科書 日本オタク文化』という同人誌を書きましたが、その私が断言します。『2.5次元の誘惑』もまた、日本オタク文化の教科書です!

 

マンガ以外部門

教育格差

教育格差 (ちくま新書)

教育格差 (ちくま新書)

  • 作者:松岡 亮二
  • 発売日: 2019/07/05
  • メディア: 新書
 

 返り血を浴びる大人の覚悟!

2019年に引き続き、ちくま新書からの受賞となりました。筑摩書房はこういう骨太な本を(価格の高い単行本ではなく)新書として出してくるから本当にありがたいです。この本の本編は約330ページありますが、「註記」と「引用文献」がそれぞれ20ページ以上あります。体裁がほぼ学術論文なんですね。ともすれば週刊誌が飛びつくような煽りやすいテーマを扱いながら、あくまで研究成果の公表に徹する著者の研究者としての誠実さが現れています。

幾重にも積み重ねられた調査結果を根拠に著者が訴えるのは、「戦後日本は、“生まれ”による教育機会の格差が存在し続けている緩やかな“身分社会”である」という事実です。親の学歴や生まれ育った地域によって、学力・学歴獲得の有利不利が存在する―朝森教育データバンクを読んでいるような人なら知識として知っていると思いますが、世間的には、さらに教員免許を取得する教師の間でも自明ではない現状に、著者は警鐘を鳴らしています。白眉なのは、たとえ(入試による選抜がない)公立小・中学校どうしであっても、その教育環境に強烈な格差があることを明らかにしたことです。進学校クラスタは、しばしば「公立vs私立」という構図で議論を展開しがちですが、そもそも公立の中でも一括りにはできないことを自覚しなければならないと耳が痛い思いでした。

著者は、日本に横たわる教育格差をどうにかしたいという想いで教育社会学を究めているけれども、それを(格差社会の勝ち組が集う)大学で説くことは、教育格差を強化することでもあるのではないかと煩悶しています。ですが彼は、返り血を浴びてでもその研究・教育を続ける道を選びました。同様の葛藤は、啓蒙をライフワークにしている私も持っていて、一足飛びに社会を変える処方箋がないことに打ちひしがれる日々ではありますが、「それでもやり続けるしかないよね」という著者の情熱に勇気づけられました。この本は、格差の存在に絶望するための本ではなくて、社会の、人間の可能性を諦めないための本なのです。

 

ノミネート作品

マイベストブック2020のノミネート作品は以下の通りでした。
(並び順が順位を表すわけではありません)

 

 【マンガ部門】

・二月の勝者(小学館

2.5次元の誘惑(集英社

・トナリはなにを食う人ぞ(白泉社

恋愛ラボ芳文社

・【推しの子】(集英社

 

【マンガ以外部門】

・平成オタク30年史(新紀元社

・ねじ子が精神疾患に出会ったときに考えていることをまとめてみた(照林社

・男が痴漢になる理由(イースト・プレス

・100分 de 名著 ブルデューディスタンクシオン』(NHK出版)

・教育格差(筑摩書房

 

『トナリはなにを食う人ぞ』は自炊好きカップル同棲ラブコメで、ヒロイン・稲葉さんが美味しそうに食べている顔が本当にかわいいです。『恋愛ラボ』は完結おめでとうございます!エノが報われて本当に良かった……!

『平成オタク30年史』はその名の通りの本で、拙著『教科書 日本オタク文化』の執筆時に大いに参考にさせていただきました。『ディスタンクシオン』は2020年末にTwitterの教育クラスタが話題にしているのを見つけてまさに自分のための本だと思いました。これが500円台で出版できてしまうNHKは本当にすごいですね…『教育格差』と併せて読むことをおすすめします。

 

 

今年も素晴らしい本に出会えますように。

2021年の抱負。

明けましておめでとうございます。朝森久弥です。

毎年恒例の「今年の抱負」です。去年の抱負を振り返り、今年の抱負を発表します。

 

2020年の抱負を振り返り。

全体スローガン:常識は私が作る

 

「ゲーム制作」:『アマゲチッタ!!』第2弾リリース

できませんでした。『アマゲチッタ!!』は『教科書 日本オタク文化』に準拠したクイズゲームという位置づけなので、『教科書 日本オタク文化』が完成しないとクイズの内容・配置が決まりません(2019年に出した第1弾は、実質プロトタイプです)。2020年は『教科書 日本オタク文化』を書き上げるのに精いっぱいで、『アマゲチッタ!!』第2弾の完成までこぎつけられませんでした。ただ、水面下で制作作業は進めています。

 

「日本オタク文化」:『教科書 日本オタク文化』完成

できました。2020年5月に『上巻』、2020年12月に『下巻』を、それぞれメロンブックスで委託販売しました。リアルコミケでの頒布ができなかったにもかかわらず、多くの人に手に取ってもらうことができ、このコンテンツの将来性に期待を持ちました。これを機に、日本オタク文化の常識が日本に住む大勢の人に浸透することを願っています。

 

「教育データバンク」:『進学校Map』改訂作業と外部サイトの継続的運用

それなりにできました。進学校Map』三訂版の執筆に先立ち、日本全国の進学校(候補)の公式サイトをチェックし、2020年春の大学合格実績を収集しました。また、その結果を参考にした記事を、noteで随時公開しました。2020年の1年間で12県の進学校Mapの記事を公開しており、これらはいずれ同人誌に収録して刊行する予定です。

 

2021年の抱負!

 全体スローガン:メディアミックスで広がる世界

 

いま、米国発のYouTubeが動画共有サービスの覇権を握り、日本を含む全世界で流行の発信地になっていることは明らかです。一方、日本発のWebサービスであるnoteが、文章を中心としたコンテンツの集積地として注目を集めつつあります。私は、まだスマホを使い始めてから1年弱しか経っておらず、世間の情報収集方法の変化について戸惑いを隠せないところがありましたが、ようやく慣れてきたところです。

私のクリエイターの矜持として、「まずコンテンツありき」という信念があります。魅力的なコンテンツに触れたいがゆえに、それを叶えるメディアを使うようになる。一方、それぞれのメディアにはそれぞれのユーザーがいて、そこに持っていくことで、新たな出会いがあることも歴史が証明しています。

私は2015年にCURIOSIST三本柱を掲げ、それぞれある程度のコンテンツを築くことができました。あとはそれをどう広げていくか、そういう局面に入っていると思います。具体的には……

 

「ゲーム制作」:『アマゲチッタ!!』第2弾リリース

⇒2020年の抱負の焼き直しに見えますが、同人誌『教科書 日本オタク文化』をクイズゲームという形で楽しんでもらうというメディアミックス戦略と位置付けています。教科書を書き上げたことで私の中に構築された日本オタク文化の知識体系を活かして、より多くの人に楽しみと役立ちをお届けするクイズゲームに進化させます。

 

「日本オタク文化」:『教科書 日本オタク文化』授業動画の公開

YouTubeで、拙著『教科書 日本オタク文化』を用いた授業動画を投稿します。同人誌の動画化というメディアミックス戦略の一環です。

www.youtube.com実は、同人サークルCURIOSISTはYouTubeに公式チャンネルを持っています(この機会にチャンネル登録お願いします!)。これまではあまり活発に投稿していませんでしたが、『教科書 日本オタク文化』を書き上げたいま、これを使えば、かなりの数の動画が投稿できるし、しかも希少性が高いことに気づきました。これだけにかかりきりになることはありませんが、継続的に投稿していく次第です。

 

「教育データバンク」:note(朝森教育データバンク)の継続的更新と『進学校Map』三訂版刊行

⇒2020年に引き続き、noteで『進学校Map』(三訂版)を都道府県別に更新します。また、ある程度記事を投稿した所で、記事を編集して紙の同人誌として刊行します。いま、Boothで通販している『進学校Map』(改訂版)はとても簡素なコピー本なので、せっかくお金を出していただく人のために、きちんと製本したフルカラーの冊子にしたいですね。おそらく、「西日本(九州沖縄・四国・中国)」「中日本(関西・中部)」「東日本(関東・東北・北海道)」の3分冊になる見込みです。

これについては「メディアミックスなのか?」という話ですが、まず原作であるところの『進学校Map』(三訂版)を完成させるのが先決で、完成させれば『教科書 日本オタク文化』と同様の展開が期待できます。もっと言うと、私がふだんからTwitter進学校談義しているのは、『進学校Map』のメディアミックスという考え方もできますね。

 

 

私は意外と(?)人の目を気にする性質があって、世間で大勢の人が盛り上がっていることに盛り上がれない自分が恥ずかしいと思うことがあるんですが、こうして自らの営みを振り返ってみると、自分で盛り上がれるもの持ってるんだから別に恥ずかしがることなくない?というか、もう手遅れだよねと改めて思いました。当分の間、通勤時間が大幅に削減されるわけですし、体には気を遣いつつ、精力的に同人活動に励んでいきたいと思います。

 

今年もよろしくお願いします。

エアコミケ2サークル参加情報

こんにちは、朝森久弥です。

 

2020年の年末は、冬コミの代わりに「エアコミケ2」が、オンラインで12月30日・12月31日の2日間行われます。

CURIOSISTもエアコミケ2に家からサークル参加します!

一応、スペース番号として「A00365」が割り振られていますが、オンラインなのであまり使うことはないですね。

 

おしながきは、以下の通りです。

f:id:asamorihisaya:20201227193116p:plain

エアコミケ2おしながき

今回の新刊は、『教科書 日本オタク文化 下巻』です。

 マンガやアニメ、ゲームの歴史をイチから学べる評論同人誌で、C98に刊行した『教科書 日本オタク文化 上巻』の続編となっています。上巻は、戦前から1990年代前半までのできごとを扱っているのに対し、下巻は、1990年代前半から現在までのできごとを扱っています。

上巻がB5判68ページだったのに対し、下巻はB5判116ページと、約1.7倍のページ数に膨れ上がりました。日本オタク文化の愛好者は最近ほど増えていますから、取り上げるべきことが増えるのは必定ですが、正直ここまで増えるのは想定外でした。そういうわけで、下巻の頒布価格は上巻の1.5倍に設定しています。一応、これまでに上巻を買っていただいた方全員には行き渡るくらい印刷しました。どうぞお買い求めいただいて、日本オタク文化への理解を深めていただければと願っています。

 

『教科書 日本オタク文化 下巻』は、メロンブックスで委託販売します。

以下のページから注文ができます。エアコミケ2当日までは予約販売、当日以降は通常販売に移行します。

www.melonbooks.co.jp今回は、基本的に店頭には並べず、信販売オンリーで販売してもらうようにしました。なお、メロンブックスでは通信販売で注文した商品を店舗で受け取ることができます。店舗に行って買う派の方も、あらかじめWebで注文してから店舗に受け取りに行くようにしてください。

 

『教科書 日本オタク文化 上巻』も、引き続きメロンブックスで委託販売します。

www.melonbooks.co.jp『教科書 日本オタク文化 上巻』はC98(2020年5月)開催時にドバっと売れてから、夏・秋・冬にかけて細々と売れ続けていたのですが、数日前、ついに売り切れが発生してしましました。これを受けて、そこそこの部数をメロンブックスに追加納品することにしました。この記事を書いている12月27日午後8時現在では、再び注文ができるようになっています。上巻を実はまだ買ってないよという方、どうぞ下巻と併せてご購入くださいませ。

 

さて、エアコミケ2サークル参加にあたり、メロンブックスに委託していない作品はどう頒布しようと検討した結果、Boothによる自家通販を新たに始めることにしました。

Boothは、pixivと連携している通販サービスで、同人サークルの自家通販によく使われています。特筆すべきは、「あんしんBoothパック」という機能を使うことで、販売者も購入者も匿名で作品のやり取りができることです。

curiosist.booth.pmCURIOSISTのBoothでも「あんしんBoothパック」を採用し、お互いに匿名で自家通販を実施します。エアコミケ2サークル参加を機に、以下の作品をBoothで頒布し始めました。

ちなみに、頒布物はパッケージ版のゲームまたは紙の同人誌のいずれかで、ダウンロード版や電子書籍ではありません。

  • 『アマゲチッタ!!』
  • 『キュードル! All Star』
  • 『キュードル! Q-dol Grand Prix』
  • 『キュードル! Tokyo Summer Challenge』
  • 『キュードル! Geek Seeker』
  • 『キュードル! Versus The West』
  • 『キュードル! Right Answers』
  • 『キュードル! Fresh Q-dol festival』
  • 『国立オタク学院』
  • 『おざわのやぼう弐』
  • 進学校Map vol.4 [東海・山陽編]』
  • 進学校Map vol.2 [四国・九州編]』
  • 進学校Map vol.1 [北海道・東北・北関東編]』

 なお、Boothでの頒布価格は、即売会での頒布価格と意図的に変えています。発送の際の梱包などにかかる費用を上乗せする一方、すでにフリー版として公開しているゲームは価格を下げました。

 これに加えて、送料がかかります。詳細はBoothのページを見ていただきたいですが、基本的に6点までは送料370円均一で発送いたします。送料をお得にしたい方は、まとめ買いをご検討ください。

  

コミケがどう変わろうと、CURIOSISTは創作活動を続けています。

皆さまも、愉快な年末をお過ごしください。

どうぞよろしくお願いいたします!

C98(エアコミケ)御礼

こんにちは、朝森久弥です。

C98(エアコミケ)、大変にお疲れ様でした!

 

コミケ史上初の中止という事態に直面しながらも、私の周囲では、大過なくイベントを終えられたのかなと思います。予定通り新刊『教科書 日本オタク文化 上巻』を出すこともできましたし、委託販売でありながら当初の想定よりは注目していただけています。

 

『教科書 日本オタク文化 上巻』は、今後も当分の間メロンブックスで委託販売を続けます。下の販売ページからお買い求めいただけます。

www.melonbooks.co.jp

これを書いている2020年5月6日現在、在庫が“残りわずか”と表示されています。これは通販在庫のことで、店舗在庫はもう少し余裕があるんですが、店舗に買いに行ける方も実際に買う方も少ないようなので、メロンブックスには店舗在庫を通販在庫に移してもらえるかお願いしているところです。店舗在庫は残ってるのに通販在庫はない、という状況が極力生じないように努めたい次第です。メロブは、通販商品を店舗で受け取ることができるので、店舗に行く派でも買えないことはないはずなんですよ。店舗に陳列すればその場ですぐ買ってもらえるというメリットはもちろんあって、平常時はそれが有効に働くのですが……)

もっとも、元々の発行部数が少ないので、店舗在庫もさほど多いわけではありません。ですので、欲しい方はお早めにお買い求めいただくことをおすすめします。

 

C98合わせでフリー版を公開した同人クイズゲーム

『アマゲチッタ!!』

『キュードル! Tokyo Summer Challenge』

『キュードル! Q-dol Grand Prix』

は、引き続きふりーむ!で無料公開し続けるので、お楽しみください。

www.freem.ne.jp

www.freem.ne.jp

www.freem.ne.jp

 

あと、C98のサークル参加中に、朝森久弥がひたすら投稿し続けた #エア旅行 ツイートは、Togetterにまとめておいたのでご覧ください。写真ばかりで表示が重たいかもしれませんが……。

togetter.com

 

今後のCURIOSISTのサークル活動ですが、まず、

『教科書 日本オタク文化 下巻』

の執筆にとりかかりたいと思います。

書名の通りC98新刊の続刊で、2020年中の発行を予定しています。C99が2020年12月に開かれればその時に出しますし、万一開かれなくても、今回のように委託販売するなど、何かしらの手段で発行します。即売会の有無は、私の創作意欲にほとんど影響しません。

ほかにも『アマゲチッタ!!』の続編や、『進学校Map』の改訂版など、やりたいことが目白押しです。最優先は『教科書 日本オタク文化 下巻』ですが、色々なものを精力的に作っていくつもりです。

 

 

引き続き、ご支援ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願いいたします。

朝森久弥への連絡先メールアドレスについて(2020年5月~)

2020年5月現在、朝森久弥への連絡先メールアドレスはWeb上では原則非公開としています。

 

朝森久弥、または同人サークルCURIOSISTにご用の際は、CURIOSIST公式サイトのトップページに設置したお問い合わせフォームからご連絡ください。

 

2019年末に、朝森久弥はメールアドレスの変更を行いまして、「q」で始まるメールアドレスは利用できなくなっています。

「q」で始まるメールアドレスを知っている方も、このアドレスには連絡せず、CURIOSIST公式サイトのトップページに設置したお問い合わせフォームからご連絡ください。

 

例外として、CURIOSISTが公開する作品の説明書や奥付に、朝森久弥への連絡先メールアドレスを記載している場合があります。2019年以前に公開した作品には、「q」で始まるメールアドレスが掲載されていますが、このアドレスは利用できなくなっているので、ご容赦ください。

 

お手数おかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。