徒然CURIOSISM

同人サークル「CURIOSIST」主宰・朝森久弥の雑文の集合体です。

「遥かなる剣が峰」に対する雑感的な何か。

 今日は6時過ぎまで起きていて、1回寝て、起きたのが13時ごろ。
 ふと、来る東京マラソンのために走らなきゃなーと思い立ち、着替えてパン食べたら少し走りに出かけた。

 8.0kmで、目標は50分(=1km6分15秒ペース)。
 結果、45分8秒。直後の心拍数は180/分。

 うーん、心拍数上がりすぎだろ常識的に考えて。
 やっぱなまってるなぁ……。


 帰宅後、シャワーを浴びてPCを付け、メールチェックをした途端、これ

supercell (初回生産限定盤)

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 を今すぐ予約しなきゃと思い立ち、さっきSony Music Shopで予約してきた。
無論買うつもりではいたのだけど、どこで買うかというのは重要な話、特典的な意味で。
amazonとらのあなも候補に入れてたのだけれども、画集に加えマウスパッドが付いてくるというのがSony Music Shopにした決め手だった。

 丁度、今使っているマウスパッドが、マウスの動きに合わせて動くという残念な状況になっていたので、好都合だ。

 supercell内の公式特設ページはこちら。
 supercell feat.初音ミク - 2009年3月4日発売決定!


 ……ふぅ、ところでいま、お腹が空いて仕方が無い。
今日は表題の通り「はるけん」について書こうと思うのだけど、それは一旦、買い物に行ってきてからにしようと思う。
 というわけで、しばしお待ちください……。


 それでは。


 以降、23:10ごろ 追記開始。 翌日4:55ごろ、追記終了。

 やっと戻ってきました。

 買い物が凄く長引いてしまって。
 ……べっ別に、途中、マンガ専門店でマンガ立ち読みしてたわけじゃ、無いんだからねっ!(何


では、ようやく、本題です。
その前に、Web拍手をば。

このコは初めてかな?よろしくお願いします!


「はるけん」3つのこだわり。

 「遥かなる剣が峰」、略して「はるけん」は、見切り発車でのスタートでした。冬コミの申し込み時には既に「クイズに答えて富士山に登るゲームを出す」と書いていた、つまり、登頂する前に本作の内容は決まっていたのです。とは言え、具体的な所は白紙でした。それでも、富士山に登れば何か良い題材が得られるだろうという希望的観測をもとに、2008年8月下旬、富士山に登ってきたのです。
 無事登頂を終え、御殿場口から下山している最中、考えていたことは「はるけん」の中身でした。私が実際に行った所、撮った所から物語を作るしかないのですが、それをどのように味付けするのか。
 下山してから数日以内に書いたメモには、次のように書かれていました。

どんなゲーム?
→クイズに答えて富士山に登るゲーム

正解すると登っていき
不正解すると進まず
イムリミットまでに登り切れるか!?
ルートは自分のをトレース
河口湖口(吉田口)五合目→頂上(剣が峰) 標高差約1300m

 基本的な骨子は、この時に既に確立していたと言えます。
 ここに、肉付けを行ってゲームを形にしていきます。その時のこだわりポイントは次の3つでした。


☆シナリオとゲームシステム

☆クイズの出題形式

☆立ち絵と音楽の導入




「シナリオとゲームシステム」
 一度富士山に登ってみると、その行為がどれほどのものかが感覚的につかめる様になります。もちろん何度も登っている人には敵わないのですが、一回も登ってない時に比べれば雲泥の差です。
 富士登山のリアリティを如何出すか。これを達成するために、シナリオ、そしてゲームのシステムに幾つもの工夫を凝らしました。

 その最たる例が、「体力」というパラメータの導入です。

 富士登山で要求されているものは、何よりも体力です。クイズマラソンの時のように、完全に「体力=脚力」でも出来なくはなかったのですが、今回はリアリティ追及のため、敢えて「体力」導入に踏み切りました。かつては、クイズ以外のところで余計に頭を使わせるのは可哀想という考えがあったのですが、今回はそれを少し裏切る形になりました。
 ゲームをプレイされてない方にも大方想像はつくと思いますが、プレイヤーは、この体力を切らすことなく、富士登山するのを迫られます。クイズが出題されるたび(正解・不正解に関わらず)に体力が減っていき、ゼロになったらゲームオーバーという仕組みです。
 体力がただ減っていくだけでは、何問まで間違えて良いかを規定するだけのものになってしまいますので、やはり体力回復の手続きも必要になります。そこで、富士山特有の文化とも言える、「山小屋」を導入しました。山小屋で休憩したり飲食することで、体力を回復できる措置を設けたのです。
 山小屋で飲食するとなると、今度は「お金」という概念が必要になります。これにより、プレーヤーが際限なく体力回復するのを防ぎました。
 なお、富士山の山小屋で売られるものは、標高が高くなるほど、値段が高くなります。この現実はしっかりゲーム上で反映させています。

 現実を反映、といえば、体力のシステムもそうです。はるけんでは、体力が減ってくると、それに応じて
「回答制限時間が減少」
「同じ距離を登るのにかかる時間が増大(=登るのが遅くなる)」
と言ったデメリットが現れます。

 実はこの措置、ゲーム界に大きな一石を投じたものとなっています。
 皆さん、一度思い返してみてください。
 RPGを始めとする殆どのゲームでは、キャラクターは、HP満タンでも、HP残り1でも、全く同じように振舞います。
 しかし、現実の世界では、これは明らかにおかしい。
 HP1というのは、今にも死にそうな状態を表すはずです。
 なのにどうして、ピカチュウの「10万ボルト」は10万ボルトのままで、ドラゴンの吐く「しゃくねつ」の勢いは変わらないのでしょうか!?
 HP1のピカチュウが出す10万ボルトはせいぜい1ボルトでしょうし、HP1のドラゴンが吐くしゃくねつはひのいきにも及ばないのが現実でしょうに。

 一方、はるけんでは体力が減るほどキャラが弱体化していきます。すなわち、プレーヤーが体力を高値で維持するよう迫られるような仕様にしたのです。
 そしてこの仕様の真の狙いは、私が富士登山で得たリアルの教訓
 富士登山では、体力がものを言うから、こまめに休憩を取ることが極めて重要」
を、プレイヤーの皆様にも是非知ってもらいたかったところにあります。*1

 ストーリーにとどまらず、このような細かいシステムは、リアルに経験したからこそ導入できた代物です。



「クイズの出題形式」

 旧作「クイマラ」「クイトラ」と、今回の「はるけん」で、クイズの観点で大きく違う箇所があります。

 それは、「プレーヤーが答えるべきクイズのジャンルを選べる」という点です。

 クイマラ及びクイトラでは、とにかくゲームにボリュームを出すため、全てのジャンルのクイズを一列に並べ、全てのクイズを見てもらおうという方針でした。
 しかし、この方法では、一度クリアした後もう一度プレイすると、同じ問題ばかりでるという欠点を抱えてしまいます。それでいてストーリーも一通りとなれば、一度クリアしてしまえばそこでおしまいと言っても過言ではありません。

 そこではるけんでは、「一度クリアするのにかかる時間は短いけれど、何度も繰り返し遊んでもらえるクイズゲームであることを追及しました。

 まず、クイズを4つのジャンルに割り、いずれかひとつのジャンルを制覇すれば、一度クリアできるようにしました。こうすることで、今度は違うジャンルに挑戦しようという気概が芽生えるだろうという魂胆です。或いは、特定のジャンルだけ挑戦したい!という人であっても、登ってもらう(=プレイしてもらう)ことができます。
 ここで重要なことは、各ジャンル間の偏りを無くすことです。
大学で化学を専攻している私に言わせれば、フランク・コンドン原理やDiels-Alder反応は「常識」です。だからと言って、これらを「(世間の人にとっての)常識」と解釈してクイズを出題することは無理があります。
 各ジャンルのクイズは5段階のレベルに分けていますが、あるジャンルの3段階目のクイズと、またあるジャンルの3段階目のクイズは、(世間の人の)正答率が似通ってないと不公平なのです。これではいけません。

 人の興味関心のベクトルは様々です。私は、あらゆるベクトルの持ち主に、どこかでフィットするような出題を心がけたつもりです。
 そしてこのこだわりは、巷で多勢を占めていると思われる、あるジャンルに特化した、マニアックなクイズを集めたゲームに対する、ある種のアンチテーゼでもあります。

 私は、世の中の、色んな境遇の人に、「ゲームなんだけど、ためになる。」を実感してもらいたいのです。
 そのためには、コアな同人ゲーマーだけでなく、「同人ゲーム」の文化を知らない人にも手にとってもらえるような同人ゲームを作りたい。
 その結果、新鮮な出会いが生まれていき、同人ゲーム界隈の裾野が広がっていけば、これほど素晴らしいことはないではありませんか!




「立ち絵と音楽の導入」

 もともとは、私は絵も描けませんし作曲も出来ませんから、今まで通り立ち絵は使わず、音楽は全部フリー素材で、と考えておりました。
 とは言え、それらについて、興味が無かったわけではありません。

 グラフィックと音楽は、ゲームの華。

 やっぱ無いよりあった方が断然いい。美少女ゲームでは、如何にハイクオリティな原画師を起用できるかが勝負ですし、FFシリーズや東方Projectは、その音楽無くてはあそこまで大ヒットすることはありえなかったでしょう。

 けどまぁ、無いものねだりをしているだけじゃゲームは作れませんから、あるもので勝負していた私なのでした。


 しかし、好機は突然訪れました。


 冬コミ2ヶ月前、10月の終わり頃のこと。
 ある日、私はとあるイベント*2がきっかけで、黒杞よるのさんと出会うことになりました。そこで、黒杞さんが絵を描く様子を見せてもらったのです。すると……


 すらすらすら〜


 見る見るうちに、紙の上にひとりの可愛い女の子が浮かび上がってきたではありませんか!速く、そして上手い。
 私は驚きました。とにかく驚きました。
 絵描きに不案内な私ではありましたが、それでも確信しました。

 「こやつ、只者ではない」と。

 私は妄想しました。黒杞さんがはるけんに登場するキャラクターを、次々と描き上げていく姿を。

 「これは、チャンスだ!」

 私は勇気を振り絞って黒杞さんにはるけんの立ち絵をお願いしました。すると、幸いにもおkの返事が!
 私は、歓喜すると共に、はるけんの可能性がぐわーっと広がっていくのを感じました。


 それから数日後。私は友人たちと宅飲みする機会がありました。その友人たちのひとりに、Fumitoさんがいました。
 その時、Fumitoさんが作った楽曲を何曲か聞かせてもらう流れとなり……

 「お前、すげぇな」

 ここでもまた、私は驚いていました。
 Fumitoさんは、とある超有名バンドのファンであり、その影響を受けて作曲をしているとのことでした。
 この時は、お互い今頑張ってることは何かを言い合う、的なムードだったので、私は「クイズゲーム作ってる」と言っておきました。

 翌日。Fumitoさんから私にメールが届きました。

 “キミ、ゲーム作ってるって言ってたよね。なんならそれに、楽曲提供してもいいよ”

 ……マ ジ で !?

 私は一瞬、まだ酔っているのかなと思いましたが、どうやらそういうわけでもないようで、再び驚き、そして喜び、気が付くとガッツポーズをしてました。


 絵と音楽のスペシャリストを擁したチームCURIOSISTがここに、誕生したのでした。



修羅場、しゅらば、またシュラバ。

 スタッフ3人体制で「はるけん」を制作することになった矢先、私のもとに冬コミの落選通知が届きました。仕方がない事とは言えこれには本当に参りましたが、Non_oiLさんのスペースで委託参加させて頂けることになり、冬コミ合わせではるけんを完成させることでスタッフは合意しました。

 恋は戦争とはよく言ったものですが、ここからの50日は毎日が戦争でした。

 黒杞さんには3キャラの立ち絵を5枚、計15枚描いてもらうよう頼みました。果たしてこんなに頼んで大丈夫かとはらはらしていましたが、心配もなんのその、しっかりと描き上げてきてくれました。あの時の妄想は妄想じゃなかったのです!
 Fumitoさんには、14曲のBGM作曲を頼みました。が、これはさすがに多過ぎで、頼んだ私が作曲のことをよく知らなかったことに原因があります。大体、プロのアーティストでも、1年にシングルCD4枚出せれば凄いペースなのに、どうして2ヶ月弱で14曲も作れるでしょうか。これは私が本当に申し訳無かったです。結果、14曲のうち3曲を作ってもらい、残り11曲はフリー音楽を充てる運びとなりました。

 私はと言うと、クイズ・シナリオ作成及びそれらをスクリプトに落とし込む作業をしていました。もっと早く済ませておけばいいものを、怠惰ゆえに11月いっぱいまでかかってしまったクイズ作成。*3これにより、残り20日程度で全てを完成させなければならず、日が経つにつれて焦りが募るばかりでした。

 しかし、今回の私は背負っているものが違いました。一人で作って一人でサークル参加するならばまだしも、今回はもはや、朝森久弥だけの自己満足では済みません。貴重な時間を割いて立ち絵を描いてくれる黒杞さん、楽曲を作ってくれるFumitoさんを反故に出来るわけがありませんし、サークルスペースを提供していただいたNon_oiLさんに報いなければなりません。
 そのような義務感も私を駆り立てるには十分でしたが、それより大きかったのは、過去最高の状況で制作活動が出来る幸せをかみ締めていられたこと。クリエイティブな仲間たちが側で頑張っているのを見てると、創作意欲がどんどん沸いてくるのでした。

 同人ゲームを多少なりとも制作しようと試みた方々は、同人ゲーム制作という企画が如何に成り難いか、如何に頓挫しやすいか、ご存知かと思われます。特に、複数人で制作する時ほど、暗礁に乗り上げやすいのです。
 私もそのような危惧を少なからずしていたのですが、はるけん制作が思いの外スムーズに進んだのは、次のようなアドバンテージがあったからだと考えています。

・3人のモチベーションが十分にあり、かつモチベーションに差があまり無かったこと。
・3人の間*4での情報のやりとりが活発だったこと。メールを出すと概ね一両日中に返信が来るなど、タイムリーに連絡が取り合えた。
・お互いリアルで面識がある*5上、いざとなったらすぐに会える境遇にあったこと*6

 かと言って、作業そのものが楽になるわけではありません。私は、覚えたてのgosub命令*7を駆使して、可能な限り効率的に、そして素早く、スクリプトを打っていきました。スクリプトの進行具合は、クイトラの時よりも断然早くなっていたという自負はあります。というかクイトラがダメダメ過ぎたのです^^;
 3年前期に比べて3年後期のカリキュラムはスカスカになり、時間に余裕があったのも勝因でしょう。しかしこれからは再び忙しいカリキュラムになりますから、やはり冬コミまでに完成させられて正解だったと思います。


感謝、かんしゃ、またカンシャ。

 前述の通りこの企画は、朝森久弥の自己満足でしかなかったのです。それが気がついたら、沢山の方々を巻き込んでいた。スタッフの黒杞さん、Fumitoさんはもちろん、私がとことん弱い「芸能・TV*8・J-POP*9」ジャンルのクイズを作ってもらったhiraraさん、テストプレイに協力してもらったありえさん、たかやさん、hr08さんがいなかったら、「はるけん」は日の目を見ることは無かったのです。さらに、フリーの音楽素材やソフトにも沢山お世話になりました。
 目に見える形でお世話になった方だけでもこんなに沢山いらっしゃいます。

 私は年中自己満足なことばっかりやらかしていますが、自己満足すればするほど、周りの方々に対する「おかげさまで」という気持ちが強くなっている気がしてなりません。


 多分これからも朝森久弥は、飽くなきCuriosityをもって自己満足を追求していくと思いますが、その度に、「ありがとう」と言い続けていく次第です。



 はるけんに関わった皆さん、ここまで読んでくれた皆さん、

ありがとうございました!!!



 それでは。

*1:もっとも、ゲームバランスは考慮すべきであるので、多少修正は入ってますが。それでも体力満タンにして登るのと、体力20%程度でガマンして登るのでは、登る速さが倍以上違います。

*2:同人誌即売会ではない

*3:しかもまだクイズをスクリプト化していなかった

*4:正確には朝森―黒杞間&朝森―Fumito間

*5:これも朝森―黒杞間&朝森―Fumito間

*6:黒杞さんにCD-R半分渡して焼いてもらう、といったことが簡単に出来た

*7:Nscripterにおいていわゆる“サブルーチン”を呼び出す命令

*8:アニメ除く

*9:アニソン除く