手段と目的を取り違えるな。
「キミは“研究者”になりたいの?」
理学部化学科に属する私が、化学とは別の分野で研究者になりたい、と目論んでいることが、同じ化学科のある先生にバレた。
いや、別にバレてもいいんだけどさ。
そう言えば、理学部入学直後の学部オリエンテーションで、同級生及び先生方に自己紹介する時間があったっけ。
「僕は将来、科学者(Scientist)になってるでしょう」
今にして思えば、何て大口叩く奴なんだと思い返してみる。だって「なりたいです」じゃなくて「なってるでしょう」だよ!?
これを述べた刹那、化学科の先生方から「オー」という驚きの声が上がった。もしかすると先生方は「化学者(Chemist)になってるでしょう」と捉えたのかもしれないけれど。
ともかく、Scientist志望であることは、大学に入ってから事ある毎に、色んな人に言いふらして回っている。これでなれなかったらとんだピエロだ。m9(^Д^)プギャー されても仕方ない。
そんな私に、ごくごく最近、化学科の先生におっしゃったのが、冒頭の台詞。
わざわざ“研究者”と二重引用符を振ったのは、台詞の言外に次のような意味がこめられていたからだ。
研究者という肩書きを持つだけなら、研究分野を選ばなければ、誰でも出来る。しかし研究者は、その研究が好きでなければとてもやっていけない職業だ。言い換えると、『わざわざ艱難辛苦に耐えて研究に励んでいるのは、その研究が好きで仕方が無いからだ』と、周囲には捉えられるということ。
『(その研究が)好きな“フリ”』をし続けてまで、目指すべき職業ではない。
そして、次のようなアドバイスも頂いた。
・『これなら好きでいられる、夢中になれる!』という分野を、出来る限り早く見極めよ。早ければ早い方がいいが、学部の専門から離れる場合は、実質上、修士進学時がタイムリミットだ。
・修士までは教員の責任、博士以降は自分の責任。*1博士課程でドロップアウトするのは、自分の実力を見極められなかったか、ドロップアウトしてしまうような研究室を選んだ自分に見る目が無かったということ。
……私が日々「科学者になりたい」「研究者に、俺はなる!」と吹聴しているから、「そこんとこ考えないと失敗するよ」と教えて頂けたのだろう。『研究者になる』のが目的では、ダメだと。
とは言え、私は始めから、研究者になること自体を目的にしているのではない。
私の目的は、『死ぬまでCURIOSISTでいること』だ。
その目的を果たすためには、自分を可能な限り、Curiosityを要求され続け、Curiosityに沿った行動をし続けられる環境に置くのがベストだと考えている。
今の人間界で、そんな希望を最も満たす世界はどこか?
学問の世界だ。
少なくともここ10年はそう信じて生きてきた。
けれども、もし他にふさわしい世界があるのならば、そしてその世界自体にCuriosityが働いたのなら、その世界に行くことを、私は厭わない。
ここまでが、私の信念だ。
もっとも、これを揺るがす事態となる可能性もゼロではない。しかし、その時はその時で、新しい信念に基づいてやっていくしかない。
現在の進学活動、略して「進活」の状況
……とまぁ、自分のスタンスを再確認したところで。
<<既にやったこと>>
・志望する研究テーマの設定。
ズバリ、
・志望する研究室の調査及び絞込み(途中まで)。
一次選考(研究テーマとのすりあわせ):約50研究室
↓
二次選考(環境要因とのすりあわせ:約20研究室*3)
↓
三次選考(入試システムとのすりあわせ*4):約10研究室
↓
四次選考(訪問する研究室を決定):約5研究室 ←今ココ
<<これから主にやるべきこと>>
・↑で挙げた四次選考及び、それに続く五次選考。
→五次選考は、研究室訪問にて行います。4月辺りにラッシュするつもりです。
→現実的に考えて、受験はどんなに多くても3回程度でしょう。ただし入試科目や入試日程も考慮に入れなければなりません。
・入試そのものへの対策。
→まずはいずれの院でも必須の英語から。とりあえずTOEFLを申し込んできました。
→入試科目を睨んだ上で、専門科目の学習をする必要があります。
・金策。
→両親にも既に、Scientistになる宣言してますが、色んな策を巡らせておくに越したことはありません。奨学金や貯金、節約生活も大事ですが、最近バーチャル株式投資を始めて色々学んでいます。お陰様で毎日日経ネットを見るようになり、少しは社会情勢に興味が出てくるという副次的な効果も。
……まだまだこれからですね。頑張ります!
それでは。
*1:理系の場合です。文系だと勝手が違うと思います。
*2:「ソウゾウ」には、Imagination(想像)とCreation(創造)の2つのイミが込められています。詳しくは本日21歳を迎えた人間による所信表明的な何か。 - 徒然CURIOSISM参照のこと。
*3:詳しくは誕生日、ありがとうございました! - 徒然CURIOSISM内の“受験生・朝森久弥の憂鬱。”を参照のこと。
*4:中には化学が入試に使えるところもある。そうでないと受けたくない訳ではないが、有利なのは確かですよね。