もうかれこれ12年越しの片想いなんですが
研究者という生き方に憧れ、いや恋焦がれ続け、間もなく第二の関門を迎えようとしている朝森久弥です、こんばんは。
ちなみに第一の関門は(ある程度のレベル以上の)大学進学でした。
そして第二の関門が大学院進学、第三の関門がアカポス確保の予定です。
これまでのエントリでも散々述べていますが、私は小学生の頃から研究者を目指してきています。周りに引かれるほど「研究者になりたい」と言い続け、自分なりの努力を積み重ねてきたつもりです。
全ては、両想いになるために。
でももしかしたら私のこんな気持ちは独りよがりなのかもしれない。そう思い悩んだことも何度か有ります。片想い歴が長いとどうしてもそうなりますよね……。実際ついさっきまで、2ch就職板まとめサイト漁ってましたし。
でもやっぱり、いつもここに戻ってくる自分がいる。
うちのボス(もちろん研究者)曰く、
「研究が好きじゃなきゃ研究者なんて出来ない」
とりあえず自己評価としては、「研究がしたい!」という気持ちは本物のようです。ですが、もしかしたら脈無しかもしれません。そして、来月始まる院試に落ちたら脈無しなのだと思います。受かったからと言って脈有りとは限りませんけど。
そう考えると、院試という関門があるだけこの片想いはまだマシなのかもしれません。
普通の意味での片想いの際は、脈有りか無しかはあの手この手で細心の注意を払って探らなければならないし、本当のところは告ってみるまで分からないし。
とまれかうまれ、この見る人が見れば妄想じみた片想いを今後も続けられるかどうか、その答えがあと50日後には出ているはず。
「知識は、人の可能性を豊かにする」
中学の時から持っている座右の銘です。
どこぞの有名人の言葉?それともオリジナル?
いえいえ、じつはマンガの登場人物のセリフなんです。

恋愛出世絵巻えん×むす 第2巻 (少年チャンピオン・コミックス)
- 作者: 瀬口たかひろ
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2003/01/30
- メディア: コミック
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( ゚д゚)……
「恋愛出世絵巻えん×むす」は、かつて週刊少年チャンピオンに連載されていたラブコメで、少年誌にしてはややお色気度が高いことで知られています。
まぁ私もこんなマンガ読むくらいには健全な中学生だったわけですがそれはさておき。
物語は、取り柄の無い少年の前に、ある日突然メイドさんが現れたことから始まります。
少年はメイドさんから特異な能力を身につける不思議な“お守り”を託されるのですが、それがきっかけで、大企業の跡取り争奪戦に巻き込まれてしまいます。次々と現れる跡取り候補者と戦うことになる少年。この候補者らは皆、“お守り”によってチートな能力を手にしたツワモノ揃いなのでした。
その中のひとりに東大寺聡というのがいます。彼は「学業成就」という名のお守りを手にし、誰も敵わない程度の頭脳の持ち主になっていました。ただ彼は元々学業大好きっ子で、その背景には大学教授であった彼の父親がいたのですが、その父に見捨てられたことにより(最終的にはこの事実は聡の思い込みだったことが発覚するはず)性格がとんでもないことになっている……という話だったと記憶しています。
そんな聡が幼いころの回想で、父親と紙飛行機を飛ばして遊んでいるシーンが登場します。思いのほか飛距離が出なくて悩んでいた聡に対し、父親は揚力がうんたらかんたらなど、持ち前の知識を活かしてコツを伝授したところ、聡の紙飛行機はうんと良く飛ぶようになりました。
聡が「お父さん、すごい!」とひとしきり喜んだところで、父親が一言。
「知識は人の可能性を豊かにする。このことは間違いないと思うなぁ」
……そんなセリフを吐いた聡の父親に、私は全力で惚れました。
「あぁ、ぼくはこのまま、もっと知識を手に入れていけばいいんだ……」
そう強く思いました。
そんな訳で、私の人生を最も大きく変えたマンガのキャラは、間違いなく「東大寺聡の父親(えん×むす)」なのです。
その日から今日まで、私はこの言葉をメルクマールに日々過ごしてきました。
知識というのは、確かに直接、或いはすぐに役に立つものではないかもしれません。けれど、いつかその内、巡り巡って自分や周りの人の役に立るかもしれません。その意味では、あればあるほど、自分を含め人間のチャンスを広げていくことは疑いの無い事実でしょう。
「英語の知識があったからアメリカ人とお友達になれた」
「狂犬病のことを知っていたから、野犬に噛まれたけどすぐワクチンを接種しに行って死なずに済んだ」
といった直接的な利益から、
「センター試験の成績良かったから大学に受かった」
「ネットを駆使できたから自分にとっての優良企業に出会えた」
といった間接的な利益まで、
これらをもたらす基礎となっている要素こそ、知識なんです。
もっとも、知識さえあればそれでいいのかというとそれは違ってて、フランシス・ベーコンが言うように「知は力なり」で、それ以上の何物でもありませんから、それを如何に扱うかで利益をも害悪をももたらすでしょう。ただ、「如何に扱うか」ということも知識を以てコントロールすることは可能です。
知のクリエーター/エンターテイナーを目指して
話を戻しましょう。
私が研究者を希求して止まないのは、それが人の可能性を豊かにする「知識」を創造する、最たる職業だからです。
世の中の人々は多かれ少なかれ、各々の知識を駆使して何かを作ったり、何かを融通したりといった様々な活動をしています。そのような連綿とした積み重ねが、今日のメチャクチャ面白い人間社会を築きあげました。
人間の歴史は、知識獲得の歴史と重なります。
せっかく人間として生まれたのだから、その歴史に少しでも参画してみたいんです。
最近一番興味を持っているのは、「ソウゾウ的精神活動の認知科学」。
特に、エンタテイメント行為に何故か没頭してしまう人間のからくりを解き明かしたい。
この辺からの知識が創造出来れば、より多様なエンタテイメントを生み出すのに繋がる、と私は確信しています。
さらに言えば、研究と言う知識創造活動と併せて、そこで得た知識及び、「知識」そのものをネタにしたエンタテイメントを作り続けていけたら、これほど幸せなことはないでしょう。現時点では、同人ゲームサークル「CURIOSIST」で制作活動を続けることが、これに相当するのではないかと考えています。
知識を創造し、それを面白くてためになる方法で世の中に伝えていく。そうすることで、人の心を豊かにする。
私が目指すのはそんな研究者です。