徒然CURIOSISM

同人サークル「CURIOSIST」主宰・朝森久弥の雑文の集合体です。

院試の受験票が届いてました。

 こんばんは、朝森久弥です。現在訳あって自宅にいないのですが、8月15日には有明に行くのでご心配なく。


 表向きは「帰省とか」で休みをもらっているから、何かしら地元のお土産買っていかないとなぁ……。


 さて、1週間前くらいに既に大学院入試の受験票が届いておりました。


 まず来たのは今の大学の上の専攻、つまり化学専攻の。
 受験番号はなんと1番です。

 そりゃあ、願書受付日にいの一番に受付に向かいましたから。確か朝8時50分に。私にしては有り得ないほど早起きなのですが、なぜかこういうときだけはちゃんと起きれるという罠。

 ちなみに今年の受験者数は不明ですが、うちの学年は留年者が多いと専らの噂なので、いつもよりは少なそう。受験者にしたらラッキーですが先生たちは色々悩んでいるかもですね。下手に定員減らすわけにもいかないし。


 その翌日に来たのが、本命の大学院の受験票でした。さすがにこっちの受験番号は1番ではありませんでしたが。

 受験の諸注意が書かれた用紙に、受験番号ごとに受験会場の割り当てが記載されていたことから、自分の志望する研究科の倍率が分かります。


 その倍率、1.75倍

 ……去年よりも若干上がっていますし、院試というカテゴリの中では高いほうです。東大の新領域とかはもう少し高いと聞きますが。

 しかも、プロパー組とロンダ組のバランスを考えると、ロンダ組の実質倍率は約2倍といったところでしょう。なかなか熾烈な争いです。

 伸るか反るかの大勝負。


 勝てば、是が非でもそこで認知科学の研究者を目指す。


 負ければ、自大の修士取ってすぐ就職する。多分。



 冗談抜きで自分の人生が大きくかかっています。
 研究者の器があるか否か―その第一のふるいを他人の手によってかけられる機会、それが今回の院試です。

 せめて二次の口述まで行って、自分の書いた研究計画書について議論したい。いや、やっぱ受からなくてはならない。私が。

 構想している認知科学の新分野―開けるのは、私だけだ。


 と自分を追い込んでおいて、ここで認知科学のトピックスについてちょいと小噺を。

ざっくばらんに考える―ヒューリスティクスとクイズの関係―

 「どっちの車を買おうかな?」

 「日本全国にコンビニっていくつあるんだろう?」

 「この記事、ガチか?それとも釣りか?」

 人は日ごろから色々な事について考え、色々な事に判断を下し、行動しています。そのとき人は、自分の持っている知識や情報を、自分の持っているルールに照らして対象の物事をどのように処理するか決めています。このような行為を以下「認知的処理」と呼ぶことにします。

 もちろん、ベストな選択肢が導けるまで徹底的に認知的処理をするに越したことはないのですが、現実はそんなに甘くありません。私たち一人一人が持っている知識や情報には限りがあり、また認知的処理には時間的制約が付き物だからです。

 そこで人は、徹底的に認知的処理をするのではなくて、幾つかの自分なりの指針を場合に応じて適用し、「うん、大体こんなもんだろう」と納得させて、認知的処理を済ませてしまいます。たとえば上の例で、車を選ぶのに考慮できる要素は無数にありますが、とりあえずデザインと燃費が良さそうなのという基準で選ぼう、といった感じにです。

 このような、簡便にしてある程度最適に近い選択肢を選ぼうとする認知的処理のあり方のことを、認知科学の用語でヒューリスティクスと言います。
 ちなみにこの用語は計算機科学分野でも使われていて、その場合は計算を増大させすぎず適度に簡単にすることで実用に耐える近似解を求める手法という意味のようです。


 簡便に、とはいえある程度最適に近い選択肢、という訳ですから、人は考慮すべきあらゆる要素の中でも、自分が特に大事だと思っている要素をピックアップしてそれを基に認知的処理をするということですね。他の要素は考慮しても、意思決定を揺るがすほど影響を及ぼすものではないし、たいていの場合はこれで日常生活はうまくいっているのです。


 しかし、ヒューリスティクスは時として人を偏った認知的処理を導いてしまうようです。これを実証付けた研究が過去に多数報告されてきました。

 ひとつは、「利用可能性ヒューリスティクスの例です。
 TverskyとKahnemanは被験者に、次の質問に答えてもらいました。

 英単語において、rで始まるものとrが3番目にくるものと、どちらが多いか?

 すると、152人の被験者のうち、105人が、rで始まる英単語の方が多いと回答したそうです。
 しかし答えは、rが3番目にくるものの方が多い、なんです。
 ではなぜ多勢の被験者が、rで始まる英単語の量を多めに見積もったかというと、rで始まる英単語の方が、rが3番目にくる英単語の方よりも思い出しやすいからだ、とされています。
 自分の頭の中では、rが始めにくる英単語の方がたくさん出てくる。だから全体でもこっちの方が多いんだ―そう判断してしまう訳なんですね。


 もうひとつは、「代表性ヒューリスティクスです。
 これまたTverskyとKahnemanの報告ですが、今度はこんな質問です。

 コインを6回連続で投げたとき、次のどちらの事象がより起こりやすいか?
A:表表表表表表
B:表裏裏表裏表

 この質問では多くの被験者が、Bの方がよく起こる―なぜならよりランダムになっているからだ―と答えますが、確率論に照らせばどちらも同じ2^6分の1、つまり64分の1で起こります。表6回連続というのは思ったより有り得ない事象ではないんですよね。

 また、表6回出ていて次に何が出るかを予測させると、「そろそろ裏が出るだろう」と考えてしまう人が多いことが知られています。実際は表も裏も2分の1の確率なんですけどね(もちろんイカサマが無ければ、ですが)。
 この傾向は「ギャンブラーの錯誤」と呼ばれています。


 さらにもうひとつ、「再認ヒューリスティクスを挙げましょう。
 たとえば、次のようなクイズを考えてみてください。

人口が多いのはどっち?
A:アメリカ合衆国
B:ブルキナファソ

 もしあなたがそれぞれの国の人口をおよそ把握していたら、即座にAの方が多いと判断できます。しかし、たとえ人口を把握していなくても、

 「アメリカ合衆国は知ってるけど、ブルキナファソ?そんな国初めて聞いた……」

という人がいれば、その人は知っている国であるアメリカ合衆国をやはり選びます。ブルキナファソの皆さん、ごめんなさい!!><)

※ちなみに外務省のデータによれば、
アメリカ合衆国:2億8,142万人(2000年現在)
ブルキナファソ:1,520万人(2008年現在)
とのことです。


 もし一方が知っていて(再認できて)、他方が知らない(再認できない)のであれば、知っている方を選んでおいた方が正答率が高いだろう、というヒューリスティクスな訳です。


 実は私、このヒューリスティクス逆手に取ってクイズを作ることがよくあります。たとえば、日本オタク文化検定3級('08第1回)では……

Q19.ひぐちアサ作の野球マンガ「大きく振りかぶって」の掲載誌は次のうちどれ?

週刊少年マガジン 3,294人 37%
月刊花とゆめ 306人 3%
月刊まんがタイムきらら 317人 4%
月刊アフタヌーン 4,880人 55%

 ちなみに正解は「月刊アフタヌーン」です。
 この作品を知っている人なら即座にこの選択肢を選べたでしょうが、もし知らない人はどうやって回答を推測するのでしょうか?

 おそらく、
 「この4誌の中では『週刊少年マガジン』が一番有名だから」
 「つーか、マガジンしか知らね」という理由で、マガジンを選んでしまう人が多いのではないでしょうか。

 もしマガジンではなくもっともっとマイナーな雑誌を選択肢に挙げていたら、ここまでの偏りは生じなかったに違いありません。

 敢えてマガジンを持ってきたことで、あてずっぽで選ぼうとする人をそちらに誘導し、多少なりとも「大振り」を知っている人だけ正解するように仕向けたのです。

 このように人の認知的処理のカラクリを上手く把握すれば、択一式問題であっても回答者の理解度をより正確に測定するクイズを作成することができます。

 まぁ、元々ヒューリスティクスを知っていた訳ではなく、私が長年クイズを作り続けてきて得た知見なんですけどね^^;



 少々長くなりましたが、こんなもんです。いかがだったでしょうか!?


参考文献:稲垣佳世子,鈴木宏昭,大浦容子(2007)『認知過程研究―知識の獲得とその利用―』放送大学大学院教材


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町民ですがイベントしりませんでした^^;ちなみに花渕神社は子供の頃よく遊んだ覚えがありますし、仁の家の原型となった借家の隣の借家は親戚です。本物とアニメで間取りが違うのがちょっと残念でしたw
(なまえ さん 2009/08/06 01:57)

またも七ヶ浜町民の方からのコメントありがとうございますm(_ _)m
しかも聖地とかなり縁のある方で驚きです!
まぁさすがに間取りとかは敢えて変えることが多いですからね……。


今回のWeb拍手はこのコにどうぞ!!

いつも温かい拍手ありがとうございます!!
これからも頑張って参りますので、何卒よろしくお願い致しますm(_ _)m


それでは。