徒然CURIOSISM

同人サークル「CURIOSIST」主宰・朝森久弥の雑文の集合体です。

進学活動(進活)を振り返る ―他大学大学院に受かるまで―

 こんばんは、朝森久弥です。

 進学活動、つまり大学院入試に関わる諸々の所業が一通り収束したので、卒研で忙しくなる前にそれらの活動について振り返ってみようと思います。


 私が本格的に進学活動を始めたのが丁度一年前ですから、学部3年の方々の中にはそろそろ大学院をどうしようか考えている方もちらほら見られることでしょう。以下のエントリは、とりわけそのような方々に参考にして頂けるような内容にする予定です。ただ、ノウハウ的なアドバイスを切り出して提示できるほどの自信はありませんから、あくまで私の進活体験を概ね時系列順に述べていくという感じでいきたいと思います。


目次

零:要旨

壱:漠然たる志望(〜学部3年秋)

弐:研究室の情報収集(3年秋〜冬)

参:研究室訪問(3年冬〜4年春)

肆:志望校(研究室)選定(4年春)

伍:出願書類作成(4年5月〜7月)

陸:試験対策(7月〜8月)

漆:試験本番(8月末〜9月上旬)

捌:合格発表とその後(9月)


要旨

 幼い頃から“研究者になりたい”と思い続けてきた一人の少年がいた。彼はまず某国立大学の理学部で化学を専攻することにした。

 しかし大学生活色々あって認知科学に興味を持つようになり、自分が研究者になるなら化学ではなく認知科学の分野だと考えた。そのためには別の大学院の研究室に移る必要があり、進学活動を始めた。

 紆余曲折の末、

一.○○大学大学院(国立)にある認知科学の研究室が含まれた研究科
→つまり外部で本命

二.△△大学大学院(国立)理学研究科にある化学専攻の研究科
→つまり内部で保険

の2つを受験。結果、両方とも合格したので一.の第一志望の研究室に来春から進学することを表明した。


※私のポリシーとして上記以上具体的な大学名、研究科名をこの場で晒すことはありません。分かる人にだけ分かればいいと思っています。


壱:漠然たる志望(〜学部3年秋)

 私は小学生の時から、研究者を目指してきました。小学校の卒業文集には将来の夢のところで「大学教授」と述べています。そこから色々ありましたが、この気持ちは2221歳の今になっても変わりません。

※色々あったことに関しては次のエントリを参考にしてください
朝森久弥の中の人の今後。 - 徒然CURIOSISM


 ただ私は昔から興味の移り変わりが激しく、「この分野の研究者になるんだ!」という欲求は大学に入るまで定着して事はありませんでした。ある時は日本史、ある時は国際関係、などなど。

 大学の志望先を決めるとき、私の興味はたまたま物理と化学にありました。なのでその時点では物理学者か化学者になりたいと思って、理学部を受験しました。

 単純に家計を考えると国立しか選択肢が無かったわけで、国立大学の前期と後期の2校しか受けませんでしたが、何とか後期受けた大学に入ることに相成りました。

 大学受験の間、私は前期の大学に熱狂的に惚れこんでいたのですが、模試の結果はいつもDorE判定。そんな私に担任の先生がおっしゃったのが、

大学院で別のところに移るのもアリだよ。特に理系は学部の偏差値的に上位の大学の大学院であっても、学部入試より比較的容易に受かると聞くよ

という言葉でした。へーそんなことも出来るのかと、その情報を頭の片隅に置いておきながら、私は今の大学での生活を始めました。


 私が入った大学の理学部は、修士課程への進学率が8割を超えていて、まさに「大学院に進学するのが当たり前」のところです。しかも、進学者の殆どが真上にある理学研究科の修士課程に進み、学部と合わせて約3年間同じ研究室で研究を進め、企業の研究開発職に就く人がマジョリティです。さらに修士課程修了者の3-4人に1人は博士課程に進み、理学研究の道を歩むのが王道とされています。

 そんな訳なので、就職組や他大学の大学院への進学者はそれぞれ1割程度。ましてや化学から離れて別の分野となると1学年に1人いるかいないかという状況でした。身近に同じ進路を目指す人が見当たらない、ということです。

 おとなしくマジョリティのレールに乗っかっていれば、倍率 log10 倍 前後の院試を通って収まるべきところに収まることが出来ます。が、それは民間・大学のいずれを職場にするにせよ、化学を飯の種にし続けることを、少なくとも中長期的には意味します。


 さて私の場合は、高校の時こそ物理や化学が面白いと思って学んできたわけですが、大学でそれらの専門の授業になると、益々興味が深まったかというと案外そうでもありませんでした。特に実験となると不器用でいつも最後から2番目まで居残ったり、ベンゼンの臭いを嗅ぐと吐き気がしたりで、このような化学という分野と、あと数十年間付き合えるのか?と自問してみたものの、Yesという回答を自信を持って出せずにいました。


 その一方、一般教養の授業の中にそれらを上回る興味を持った講義がいくつかありました。

 ひとつは、1年前期で聞いた、「量子論脳科学の関係」のお話。そこから“ヒトのココロ”に興味を持つようになり、1年後期に「社会・精神心理学」を、2年前期に「認知心理学」の講義を聴きました。とくに2年前期の認知心理学の先生は、うちの大学における講義の面白さで一、二を争う方で、私もそれにすっかりハマってしまいました。

 その後、たとえば世界一周同人活動などを通して多種多様な人々と出会い、コミュニケーションを取っていく中で、益々ただの人間に興味を持つようになりました。


 化学では物質の振る舞い方を探求しますが、私にとっては、人の振る舞い方を探求する方が面白いと思うようになりました。そして、人の振る舞いを探求する研究にこそ、数十年間打ち込めるはずだ!と考えた私は、そのための準備に取り掛かる決意をしました。即ち、他分野への転換です。


弐:研究室の情報収集(3年秋〜冬)

 他分野へ移動することを決めた私は、まずどのような研究室に行けば自分の望みに近い研究に参加出来るかを考えました。


 ところで、大幅な分野移動の際は学部から入り直して勉強する事例も少なくありません。しかし人生は短いし、お金持ちでもないので、出来れば大学院の修士課程から新しい分野に移れるようにしようと、私は考えました。


 “人の振舞い方”を探求する学問の名称としては、たとえば
・心理学(認知・知覚・臨床etc)
・教育学
認知神経科学

 などが挙げられます。けれども、たとえば文学部にあるような心理学の研究室は往々にして“学部から入り直して……”の雰囲気が強く、しかも院試が4年生の冬にあるなど、理学部にいながら志望するのはなかなか難しいことが分かりました。あくまで自分が調べた範囲内ですが……。

 とは言え、この分野はアプローチの仕方が文系型から理系型まで幅広く、研究目的の方向性も基礎から応用まで多彩であり、選ぶ余地は大きく、それゆえに自分の性にあったアプローチ及び方向性を選ぶことが大切であることを悟りました。

 そこで私は、この辺りの分野の研究室をおおまかに2*2=4タイプに分類してみました。

文系型/基礎:行動実験がメイン。文学部心理学科の知覚心理学認知心理学が典型的。
例:芋阪研究室@京大


文系型/応用:人の認知機構に関わる知見をものづくりや芸術に活かす、など。
例:感性科学領域@筑波大


理系型/基礎:分子or細胞レベルで神経の働きを捉えるみたいな。
例:石浦研究室@東京大


理系型/応用人工知能やロボット、デジタル技術に興味を持ってる人が多い。
例:篠原研究室@東北大

ここでは4パターンにおいてそれぞれ出来るだけ典型的な例を取り上げてみましたが、実際には多くの研究室が、これら4パターンの要素を複数併せ持っています。私が受かった研究室は一応“認知科学”を標榜しているのですが、文系から理系まで、或いは基礎から応用まで割りかし広く手がけている模様です。


 このように、ある程度広い範囲で研究内容を調べていったことで、後々研究室を絞っていく際、自分の興味を詳しく吟味することが出来たように思います。ちなみに毎日のように興味を持った研究室のサイトをブックマークしていった結果、現在その数は100を超えてしまいました。


今日はここまで!

 結構長くなってしまいましたので、参以降は次回に持ち越します!大学院受験と言う意味ではここからが生々しいところになっていくと思われますので、ちょびっとでも期待して頂けたら幸いです。


 ご意見・ご感想などありましたら、コメントなり↓のコをポチッと押してWeb拍手を送るなりして頂けるととても嬉しいです!


 それでは。