徒然CURIOSISM

同人サークル「CURIOSIST」主宰・朝森久弥の雑文の集合体です。

進学活動(進活)を振り返る ―他大学大学院に受かるまで― その2

 こんばんは、朝森久弥です。

 前回のエントリ
進学活動(進活)を振り返る ―他大学大学院に受かるまで― - 徒然CURIOSISM

に引き続き、私の進活の軌跡を書き連ねていこうと思います。前回に比べ具体論が多いかもしれません。

参:研究室訪問(3年冬〜4年春)

 大学院入試を受験するにあたって、志望研究室への訪問は必須と言っても過言ではありません。

 大学入試では、オープンキャンパスに行かなかった大学を受験することは多々あるでしょう(私も今の大学はそうでした)。しかし就活では、会社説明会にも行かずに採用試験を受ける人などいないはずです。大学院が就活同様レベルで自分の将来を左右すると考えれば、とるべき行動は言わずもがなでしょう。

 もっとも、大学院でも「大学院説明会」や「入試説明会」といったオープンキャンパスチックなイベントが催されるところが多いですが、そこで研究科単位での話は聞けても、研究室単位での話が聞けるとは限りません。大学院入試はあくまで志望する研究室を目指して受験するのがセオリーだと私は考えているので、やはり研究室単位での話を直に聞くべく、あちこちを奔走しました。


 私は、学部3年の3月ごろから、4年の5月ごろまでの2ヶ月間で、4つの大学にある大学院を、6研究科ほど訪れました。いずれの大学も私の住んでいるところからは遠く、専ら夜行バスを使って移動していましたが、一連の交通費だけでも約6万円は費やしました。


 ところで、訪れる研究科を選ぶまでには、膨大な絞込み作業が必要でした。数多くのアプローチがあって、どれも面白そうに思えてくるから益々困ります。しかし、とりあえず見つけた100以上の研究室全てに訪問するのは現実的ではありません。そこで私はまず、

“指定校”かつ“国立大学”

にある大学院に絞ることにしました。

 ここで“指定校”というのは、私が現在奨学金を頂いている民間奨学財団が、奨学生選定の対象としている大学のことです。私の大学もこの“指定校”のひとつですが、学部時代にここの奨学生だった人が、“指定校”にある大学院に進んだ場合、殆どの人が継続して奨学金を頂いているという事情がありました。

※学部から修士に上がる時、改めて奨学生採用面接を受けることになっていますが、95%以上の人が受かっているようです。つまり、そういうことです。


 私が大学院に進学するには、この奨学金を途絶えさせるわけにはいきません。というわけで必然的に、大学院も“指定校”の中から選ぶことに、そしてより学費の安い国立大学に絞ることになりました。


 しかし実際のところ、私がブクマしていた研究室はその“指定校”にあるものがかなり含まれていて、もう一段階大学単位での絞り込みが必要でした。

 そこで今度は“大学の位置する環境”を考慮することにしました。つまり、大都会にしようと思ったのです。具体的には、首都圏と関西圏のどちらかにしようと決めました。


 これには、私がこの頃から思い描くようになっていた研究テーマ、即ち「日本オタク文化に人は何故惹かれるのか?」を研究するには、そのようなコンテンツが溢れている環境に恵まれていた方が圧倒的に有利だと考えたからです。
 たとえば、少し毛色が違う分野なのですが、九州大学に現代マンガ文化を研究している方がいらっしゃるそうです。彼らは研究のためにコミケで独自にアンケート調査を行ったこともあるそうですが、そのためには福岡から東京まで遠征せねばならず、それに伴う苦労も大きかったろうと推察出来ます。
 ならば私は、出来るだけそのような物理的制約を取り除いておこう、と思ったのです。

※それに、私の大好きな同人イベントも開催地は大都市ばっかりですし^^


 このようにして大学単位での絞り込みは終わりました。すると次は、研究室単位での絞込みをしなければなりません。

 この時点の絞り込みでは、研究内容に興味がもてるか、研究方針に共鳴するかを重視しました。研究室の雰囲気だとか先生の人柄だとかは、研究室訪問するまでは判断できないと考えたからです。もちろん、各研究室のサイトだったり先生の書いた本を読んだりして出来る限りの情報は集めましたが。

 ただ、現実的な問題として受験のシステムは、この時点で一通り調べました。入試日程が卒研間近だったり、私の知らない専門がガッチガチ問われるとなると、周りも私と同様専門外の人間ばかりならともかく、そうでないところではとんでもなく厳しい戦いを強いられること請け合いでしょう。


 これにて大学単位&研究室単位での絞り込みが一旦終わり、残った研究室のある大学院に見学と相成るわけです。


 研究室訪問(志望研究室の先生との面会)の仕方は色々で、

1.メールで研究室主宰の先生にアポを取り、個別に時間を作って頂く
2.入試説明会に伴って催される「研究室ツアー」に参加
3.研究科主宰のイベントに潜り込み、そこにいらっしゃる志望研究室の先生に話を伺う

といったものを経験しました。


<1.について>
 研究室のサイトなどに先生のアドレスが載っているのでそこに送りました。メールの中身は、「挨拶」「こういう研究を志望してるから、研究室をお訪ねしたい」「ご都合のよい日時をきぼんぬ」の3点セットを軸にしました。文面については“研究室訪問”でググると参考になるページがごっそり出てきます。
 すると、送ったその日か次の日くらいにはメールが返ってきたので、日程調整などをメールのやり取りで進めました。

 この時、私は平日に訪問時間が設定されましたが、卒研の研究室のボスには研究室配属当初から「俺は他大に興味あるんだぞー」オーラを発しておいたので、訪問のため1日研究室を休むのに難しいことはありませんでした。中には、「当然うちの研究室に残るんだよね?」オーラを常に発する先生もいるらしいですが、そういう先生の研究室だとなかなか抜け出し辛いでしょうね……。


<2.について>
 殆どの場合事前予約が要らなかったので楽でした。研究室訪問のチャンスは、入試説明会で一通りの説明を受けて後にあるのが通例のようです。研究室にお邪魔するものもあれば、各研究室の先生がポスターを並べて説明する形式のものもありました。


<3.について>
 シンポジウムや研究成果発表会的な集まりの中には一般の人が潜り込めるものがあります。大学1年の時からしょっちゅうやっていたので余裕でした。ある時はイベント後に懇親会があり、そこでお酒を交えながら目当ての先生に話しかけに行くこともしました。これは研究室訪問とは異なりますが、思いのほか本音が聞けるので参考になりました。


 研究室訪問の流れは研究室によってまちまちでしたが、もっともマジョリティだったのは、

前半:先生から研究室での研究紹介
後半:学生から研究室での生活紹介

というものでした。
 前半に関しては、研究室のサイトなどで予習していたとしても、実態は往々にして異なることがあるので侮れません。
 後半に関しては、先生がその場にいるかいないかによって内容が異なってくるように思えました。


 私の研究室訪問でのエピソードを幾つか紹介すると……

・訪問が終わった後に生協食堂で一緒に食事。


・訪問のついでに研究室の定例ゼミに参加。


・A先生の説明が一通り終わり、「じゃああとは博士課程の彼(学生)から話聞いてってよ!」とおっしゃって退室。その数秒後に、院生の方が一言。

「ここはやめとけ」
( ゚д゚)ポカーン


・私ら見学者とB先生とのやり取り。
「失礼します」
「ようこそ。まぁ座って」
「宜しくお願いします」
「キミら、日本酒とワインどっちがいい?」
「え?」
「まぁ、飲みつつ語ろうや」


・C先生の研究室にて、先生からの研究紹介が終わり、先生水入らずで学生とのトークタイム。

「院試は○○を取るとお徳だよ」
「去年の面接は△△が聞かれたよ」

修士の最初の半年で彼女作っておくべき」

「訪問来た人とはうちの院生とメルアド交換してるんだ。この前来た人とは俺がしたから、キミは彼(別の院生)と交換ね」


……といったように、個性溢れるもてなしが待ち受けていました。またこのとき、私はそれとなく(時にはズバリ)、

「ここで博士号取るのを勧められる?」
「博士卒、修士卒それぞれでの進路状況は?」
「研究室での1日のタイムスケジュールは?コアタイムはいつ?」
「ここの院生になると、1年はどう流れる?」
「先生は面倒見が良い?それとも放任?」
修士論文テーマはいつどう決める?」

……といった内容の質問をしていた記憶があります。


肆:志望校(研究室)選定(4年春)

 前項の通り、研究室訪問では実に大量の情報を入手したので、研究室訪問してない所からなんて怖くて選べないとさえ思っていました。一応、時間の都合上行けなかった研究室も含めて選定を行いましたが、結局行った所の中から第一志望・第二志望が生まれました。

 また、選定にとても役立つ指針を提供して頂いたエントリがこちらです。
大学院修士向け研究室情報チェックリスト - 発声練習


 あまり詳しく書くと容易に特定されそうなので、色々曖昧に書きますが、私が特に重要視したポイントは次の通りです。

・自分のやりたい研究が出来そうかorさせてもらえそうか
→性質上、「研究テーマは先生が割り当てる、または提示した選択肢の中から選ばせる」意識が強いところだと中々合致するのが難しいと考えました。素人からスタートなのに何言ってるんだと思われるかもしれませんが、出来るだけ早い段階で、自分の立案するテーマで研究に従事できる予感がするところが良さそうだな、ということです。


・先生は自分と相性が合うか
→私にも苦手なタイプの先生ってのがあり、それは第一印象で大方分かります。逆に相性の合う先生というのも最初のインスピレーションで判別できる気がしています。


・頼りになりそうな先輩がいるか
→自分が入学した時に居るのが前提です。だから、D3や就職予定のM2に凄い人がいてもあまりプラス要素にはならないと考えました。D3や就職予定のM2を除いた面子の状況を注視しました。
その先輩が頼りになるかどうかは、暫らく会話してれば何となく分かる気がしますし、それで相性も掴める気がします。
あと、学振を取ってる(日本学術振興会の特別研究員に採用されている)人がいると心強いのではと考えました。


・5年間住んでて退屈しないか
→周囲に遊び場や飲み屋があるか、有明からは近いかといったことから、色々なタイプの人間に出会えるか、といったことを考慮しました。となると、出来るだけ大都会で、それも色々なバックグラウンドの学生が近くに居た方がプラスになると判断しました。


・入試に受かりそうか
→全く新しい分野を勉強する必要があるのは最初から覚悟していました。が、たとえば数学や物理、生化学、有機化学分子生物学を受けなきゃならないとなるとそれだけで大きなディスアドバンテージです。得意科目で勝負出来るに越したことはありません。
また、同じような専門でも大学や研究科が変われば試験内容が大いに異なるので、複数の併願は注意を要します。そもそも、同一試験日だと併願できませんし。


 こうして私は、それぞれ同じ研究科にある認知科学の研究室2つを選定し、これらを本命として受験することに決めました。

 合わせて、ニートになっては困るので、現在居る大学の大学院も受験することに決めました。


 人によっては、「覚悟を決めたんだったら、認知科学の研究室がある大学院を複数受けて、化学の研究室に残る選択肢を断つべきだ」という意見もあるでしょう。しかし私は、

「本命に受かれば認知科学研究者を目指す方向で。落ちたら化学研究者になる気は無いので、そこそこの学歴を携えて別の道に進み、研究者は諦める」

という覚悟の取り方をしていたので、本質的には大差無いかと思います。


 それにしても、このふたつの大学の試験日が重ならなかったのは本当に助かりました……。


今日はここまで。

 思いの丈を全部詰め込もうとしたらとても長い文章になってしまいました。レポートもこれくらいすらすら書ければ良いのですがね^^;

 このシリーズは次回も続きますので何卒よろしくお願いします。

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 それでは。