徒然CURIOSISM

同人サークル「CURIOSIST」主宰・朝森久弥の雑文の集合体です。

進学活動(進活)を振り返る ―他大学大学院に受かるまで― その3

 こんにちは、朝森久弥です。

進学活動(進活)を振り返る ―他大学大学院に受かるまで― - 徒然CURIOSISM

進学活動(進活)を振り返る ―他大学大学院に受かるまで― その2 - 徒然CURIOSISM

に続くエントリとなっています。志望校も決まり、ここからは受験というものにフォーカスを当てていこうと思います。

伍:出願書類作成(4年5月〜7月)

 本命の大学院から取り寄せた願書によれば、主に次の書類が必要でした。

・入学願書
・成績証明書
・写真3葉
・研究計画書
・検定料3万円(学部入試よりも高い!)を振り込んだ領収書

 このうち、「研究計画書」を除く4点は事務手続き書類なので、単に手間とお金がかかるだけです。

 問題は研究計画書で、私はこれに出願書類作成にかけた時間の99%を費やしました。


 研究計画書とは?


 入学後の研究計画をまとめた文章です。私のところの場合は、志望理由も含め2000字程度を要求されました。これは決して大学院側の嫌がらせではなく、入学してから主体的に研究活動に取り組めるかどうかを見られているものと考えられ、採点対象にバッチリ入っていました。

 ここで本命の大学院の入試形態をチェックしてみましょう。

1次試験「筆記試験」(8月下旬実施)
・英語(研究科独自の筆記試験。TOEICTOEFLではない)
・専門科目(理系を中心とした10種以上の科目のうち2科目を選択)

2次試験「口述試験(9月初旬実施)
・1次試験合格者のみに実施

入学者の選抜は、「筆記試験」「口述試験」「出身学校の学業成績」によって決まる。

加えて、研究室訪問の際に口述試験は研究計画書について色々聞かれるよ」とのことだったので、研究計画書が合否決定に占める割合はかなり大きいと捉え、多大な時間をこれに注ぎました。願書を入手したのが5月中頃で、出願締め切りは7月中頃だったのですが、この2ヶ月間は筆記試験対策は週5時間程度で、残る出来る限りの時間は研究計画書に費やされたと記憶しています。


 救いだったのは、私の研究室の院試休みが6月初めからと、かなり早かったこと。うちの学科において、他の忙しい研究室だと7月からとか院試2週間前とかからしか院試休みが貰えないと聞きました。
 もっとも、そういう研究室をあらかじめ選んでおいた私の作戦が功を奏したとも言えます。拘束時間が長い合成系を回避したのはこの辺りにも事情があるというわけです。

 研究計画書の作成も含め、本命大学院入試の準備は殆ど、今の研究室で行うことができました。小規模な研究室なのにそこを出て行く準備を遠慮なくさせて頂けたのは、ひとえに研究室の先生方・先輩・同級生の理解と協力があったからですm(_ _)m


 さて、実際の研究計画書作成はどのようなプロセスで行われたのかと言いますと、

0.「研究計画書」でググって、フォーマットを調べる
例:http://homepage1.nifty.com/inshi/mm/research.html

1.研究計画書用の研究テーマを大まかに決める

2.書籍や論文、ネットを駆使して情報収集、研究テーマを結晶化させる

3.研究テーマを遂行するのに必要な手法を考える

4.下書き

5.推敲

6.印刷

の通りです。実際は1.〜3.は入り乱れていましたが。


 研究計画書作成中の醜態はこのブログでも何度も晒しております。

 当初は「ゲーム研究者カコイイ!ゲーム脳なんて幻想は俺が打ち砕いてやるw」くらいの構想しかなかったのですが……

ブーンがゲーム研究者を目指すようです。 - 徒然CURIOSISM
(2009/05/22)

陵辱ゲームが人に与える影響を脳科学的に考察しようとしてみた - 徒然CURIOSISM
(2009/06/04)

21世紀は「想像と創造の時代」 - 徒然CURIOSISM
(2009/06/08)


 「実際のところ、ビデオゲームに限定した研究では限界がありまくりではないか?」と思い始めたのが6月後半。

ゲーム研究とか言ってる人って何なの?死ぬの? - 徒然CURIOSISM
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いかにして私はソウゾウを愛するようになったか - 徒然CURIOSISM
(2009/06/23)


 結局、ビデオゲームを表に出すことはやめ、「人のエンタテイメント行為に伴う認知機構」を、統制しやすくかつ日常行為の観察及び脳機能イメージングによって解明を試みるという、比較的広い枠組みで研究テーマを設定することにしました。

「研究計画書」のテーマが決まりました。 - 徒然CURIOSISM
(2009/06/24)


 勿論、私が愛する「日本オタク文化」を自然科学的手法で研究するという野望は捨てていませんが、そこに行き着くにはまず、もっとプリミティブな認知機構の解明を果たさねばならないと考えたのです。

エロゲは酒やタバコと一緒。こう考えれば済む話じゃ無いのかね。 - 徒然CURIOSISM
(2009/06/25)


 さて、ここでようやく上記の2.まで完了したわけですが、時既に締め切りまであと3週間。ここから私の本気が始まりました。しかし、書けば書くほど不安に苛まれていって、エンタテイメントを研究なんて学問として成り立つのかな?とか、脳機能イメージングと言ってもfMRIじゃなきゃカスデータしか取れないのかな?とか悶々としていました。

進活進捗報告@出願直前 - 徒然CURIOSISM
(2009/07/08)

 が、下書き中に「わが意を得たり!」という文献に出会いました。人生に数度あるというくらいの出会いでした。これで自信を取り戻した私は、無事研究計画書を書き上げることが出来たのです。

研究計画書下書き完了。 - 徒然CURIOSISM
(2009/07/09)

おそらくチクセントミハイのそれは、これからも長いこと私の研究の大きな支えとなるはずです。


 下書きを終えた私は、それを現在の研究室のボスに見て頂いて講評を頂き(このようなことが出来るのもボスの人徳の致すところですm(_ _)m)、校正・清書をして所定の用紙に印刷しました。印刷の際のちょっとした苦労については、以下のエントリをご覧ください。

研究計画書完成→願書提出完了。 - 徒然CURIOSISM
(2009/07/11)


 研究計画書を願書入り封筒に入れ、書留速達(こういうところでも地味にお金が飛んできます)で郵送。はぁーこれで勉強するだけだ、と思ってたら……


 「4年生の皆、うちへの願書提出は済んだ?」

 という、今の研究室のボスの一声で、危うく忘れかけていた自大学大学院への願書提出を済ませることができました。こっちは研究計画書の提出も無く、教務課に歩いて出しに行けば足りるので、締め切り5分前に出しても問題無かったのですが、たった一度の院試なので敢えて受付期間初日の朝9時前に教務課に赴き、受験番号1番をゲットしてきました。

陸:試験対策(7月〜8月)

 本命の他大と滑り止めの自大、2つの願書を提出し終えた時、院試まであと40日を切っていました。世間の小中学生は夏休みだそうですが、そんなのが私にあるはずもなく。

 ここで双方の試験科目を確認してみましょう。

<本命:他大>

・英語(研究科独自の筆記)
→題材は科学全般。和訳&英訳。京大学部入試の英語を易しくした感じ。
・専門科目(理系を中心とした10種以上の科目のうち2科目を選択)
・口述


<滑り止め:自大>

・英語(研究科独自の筆記)
→題材は化学全般。和訳&英訳。
・専門科目(有機化学無機化学・物理化学を全て)
・面接

 なお、本命の筆記試験に専門科目として、最も経済的かつ志望にも適っている「化学」と「心理学っぽいの」を選択しました。

 こうして見ると、それぞれ全く違う分野でありながら、そこそこ試験科目がオーバーラップしていることが分かります。認知科学の研究室を持つ他の研究科の試験だと、ガチガチの心理学や神経科学などを一から勉強しなくてはならず、かなり不利なことは容易に想像できます。また、数学を受けなくて良いのは私にとっては追い風でした。勿論受かったからには一度復習しなきゃですが……。


 学習時間の比重は、大体「英語」:「心理学・認知科学」:「化学」=1:1:1でした。
 また、それぞれの具体的な対策方法は……

「英語」
・リスニングも無いし、過去問見ても正直難しいとは思わなかったので、勘を鈍らせない程度に。
・7月までは週1回以上、8月からは週2回、1回2時間程度。
・和訳は、それぞれの過去問3年分とScientificAmericanの記事幾つか。
http://www.nikkei-science.com/english_read/index.html
は、日本語訳も付いていたので便利。
注:日経サイエンスはScientificAmericanを翻訳した記事で成り立っています。
・英訳は、それぞれの過去問3年分。自大の方は“化学用語”をどれだけ知ってるのかを問われていると判断したので、ちょっとした単語帳を作った。

「心理学・認知科学
・一般教養で4単位聴講した程度なので、改めて以下の基本書を一通りやった。5月ごろからこつこつやって、60時間くらいで完了。

心理学 第3版

心理学 第3版

・8月に入ってからは過去問や関連書籍を引っ張ってきて、心理学や認知科学人工知能のキーワードについての自分wikiを制作。

・脳活動測定技術(PET・NIRS・MEG・EEGfMRI)は原理・長所と短所・応用例をまとめた。

「化学」
・3年間勉強してきたはずなのだが、自大の過去問見ても解ける気がしなかったので思いの外集中して対策。
・7月下旬から8月上旬は1日6時間くらいやってた。
有機化学は捨てて、無機化学有機化学だけやってた。
・過去問をそのまま解くということはせず、過去問(約6年分)を参考にしつつ、化学の一通りの分野をまとめたノートを作った。
※後日そのノートの一部をうpしたいです。

こんな感じでした。

 また私は当初、これらの学習を専ら研究室でしていました。うちの研究室は伝統的にこの傾向があり、何か分からないことがあればすぐ隣にいる先輩や先生に質問できるから、という理由によるものでした。

 ただ、私の学習内容は今の研究室の皆様方とは結構異なるもの(そこにいる方々は自大の院試しか経験していない)で、質問することもあまり無かったので、より静かな自宅や自習室で学習するようにしたらより捗るようになりました。
 それに自習室では、同じく他大院(私とは違うとこ)を狙う某友人が勉強していたので、お互い励ましあって学習が続けられたんですよね^^


 それと、この期間中に私はあろうことか、1週間の旅行に出かけました。

 だって、コミケに行かないと死んでしまうと思ったから!!www

 あと、実は5月ごろから秘密裏に制作がスタートしていた「ヒトナツの聖地巡礼に使う写真を収集するために、幾つもの聖地に行く必要があったので、ちょっと出かけてきたのです!


 息抜きになったし、うめ先生をリアルで拝むことが出来たので、この旅行によって、私の院試に対するモチベーションはとてつもなく上昇しました。私が院試を最後まで闘い抜けたのは、うめ先生の夏コミ新刊が大きな役割を果たしていたと言えましょう。


 そして夏コミから帰ってきた約1週間後、私は本命大学院の院試のため、再び上京と相成るのでした……。


もう少しだけ続くのじゃ。

多分次回で完結だと思います。私も他にタスクが詰まっているので出来るだけ早く終わらせたいのですが、どうしても書きたいことが増えていってしまって……。

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それでは。