徒然CURIOSISM

学びクリエイター朝森久弥とサークル「CURIOSIST」のブログです。

マイベストブック2017

 お待たせしました(誰も待ってない)。
朝森久弥の「マイベストブック2017」、すなわち2017年に読んだ本のうち、私の人生に特に影響を及ぼした本を紹介するコーナーです。
こちらの記事に書いたように、マンガ部門とマンガ以外部門に分けて発表します。

マンガ部門

かぐや様は告らせたい

30年生きてて一番笑わされたラブコメだった。藤原書記お可愛いすぎる。
はい、例によってラブコメです!
しかしこのマンガ、ラブコメなのは確かですがお色気要素がこれといってありません。ヤングジャンプ連載なのになんという暴挙……。
じゃあこのマンガのウリは何かというと、副題にある通り「天才たちの恋愛頭脳戦」にあります。舞台は超エリート高校の秀知院学園生徒会。ここの生徒会長・白銀御行(しろがねみゆき)と副会長・四宮かぐや(しのみやかぐや)は互いに惹かれあってるのですが、素直になれないふたりは「恋愛は告白した方が負け!だから相手に告白させたい!」と、あらゆる場面でイチャイチャする画策するのが基本の物語となっています。相手が自分に惚れていることが言い逃れできない状況に追い込む→相手が告白してくれるということで、ふたりは隙あらば相手にモーションをかけていきます。その機会ひとつひとつがまさに学園生活あるある、ラブコメあるあるで、ある意味で日本の学園もの・ラブコメものの百科事典になっているのです。少年向けから少女向けまで、作者の赤坂アカ先生は、本当に学園ラブコメというのをよく研究していることがうかがえます。
そうした前提があるうえで、主人公らのリアクション(顔芸)を見るのが楽しい。ラブコメはLove ComedyなはずですがComedy要素が薄いラブコメが多い今日この頃、めくればめくるほど笑いを誘うラブコメは貴重です。赤坂先生、どんだけ表情の引き出しを持っているんだ。何ならタッチも変幻自在だし。それでいて、要所要所のLoveパートではキチンと赤面顔を出してくるから本当にずるいです。
私は「かぐ告」は単行本派で、2018年1月にようやく8巻まで読んだわけですが、7巻で出てきた伊井野ミコがこれからどこまでお可愛いくなるのか楽しみです。かぐや様は乙女でお可愛いですし藤原書記は天然でお可愛いですしはーさかさんは健気でお可愛い、白銀会長も石神会計もお可愛い。まったく、このマンガのキャラみんなお可愛いじゃないか!

マンガ以外部門

エロマンガ先生

エロマンガ先生(1) (電撃コミックスNEXT)

エロマンガ先生(1) (電撃コミックスNEXT)

全身全霊で恋する子たちが熱くて尊い。ムラマサ推しです。
またラブコメかよ!!!
だって仕方がない、私は家に数えきれないほどの本があるが、本を読んでいる時間の半分以上はラブコメに費やされているといってもいい……。
このラノベの著者は、あの『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を書いた伏見つかさ先生です。テーマは『俺妹』同様、兄妹での恋愛。ただ、エロマンガ先生の兄妹は義理の関係なのでタブー感は薄れました。それでもふたりが結ばれるためには色々なハードルを乗り越えねばならないのですが。男子向けラノベ全般に言える話ですが、主人公の男というのはめっちゃモテます。そして鈍感。このラノベの主人公・和泉政宗もご多分に漏れずその傾向があるっちゃありますが、妹の紗霧一筋なので、ラブコメ主人公として一本気が通っていて好感が持てます。
政宗は中学生でデビューした現役高校生作家だし、周りにも中学生作家がゴロゴロいるし、紗霧に至っては小学生でイラストレーターデビューと、若さのインフレが激しいのはご愛敬。このラノベで描かれてる恋愛模様自体はド直球なので、主人公が高校生でかつ義妹と恋愛となると、この年齢設定が妥当だったんじゃないでしょうか。ただ、政宗や山田エルフ、千寿ムラマサといった作家たちの仕事にかける姿勢は大人顔負けというか、なるほどラノベ作家ってこういう想いで仕事に向かっているのかとうなずくことしきりでした。あと、エルフやムラマサが「あなた(正宗)と一緒になれないくらいなら死ぬ!」くらいの勢いで迫ってきつつも、政宗はやっぱ紗霧を選ぶ、それでもド修羅場にならない絶妙なバランスに安心感を覚えます。本作はラブコメとはいえ激アツな作家物語であり、作家としての成功がラブコメとしてのハッピーエンドにも繋がっているというのがその要因じゃないでしょうか。この構造は『俺妹』にはなかったものです。
それにしても、高砂智恵は(男オタクが考えた)さいきょうのいせいのともだちですね……本当に伏見先生は刺さるキャラを作ってくるのが上手い。

ノミネート作品一覧

マイベストブック2017のノミネート作品は以下の通りでした。
【マンガ部門】
・青のフラッグ(集英社
かぐや様は告らせたい集英社
川柳少女講談社
Dr.STONE集英社
・りぶねす(講談社
【マンガ以外部門】
エロマンガ先生KADOKAWA
エロゲー文化研究概論(総合科学出版)
・観光コースでないアフリカ大陸西海岸(高文研)
・2018年受験用 全国高校入試問題正解(旺文社)
ボードゲームカタログ 201(スモール出版)

やっぱりラブコメだらけですね。どんだけ煩悩の塊なんだ私。
『青のフラッグ』はこれ別冊マーガレットかな?と思うほどの透き通った恋愛モノですが、ジャンプ+で連載してなければ私は手に取ることがなかったでしょう。
エロゲー文化研究概論』はまさにエロゲーの歴史を語る本ですが、エロゲーを制する者は日本オタク文化を制すると言わんばかりに、縦横無尽な知識のカバーに感服しました。
『全国高校入試問題正解』はその名の通り高校入試の過去問が載ってまして、教育クラスタとしてようやく全巻揃えたのですが、自治体によって高校入試って傾向もレベルも全然違うやん!って驚きまくっています。この辺で得た知見は、また同人活動などでフィードバックしたいですね。


今年も素晴らしい本に出会えますように。