徒然CURIOSISM

学びクリエイター朝森久弥とサークル「CURIOSIST」のブログです。

C95御礼

朝森久弥です。明けましておめでとうございます。


昨年末のC95(コミックマーケット95)では、弊サークルCURIOSISTに多くの方にお越しいただき誠にありがとうございました。
毎回新作を出すことに定評のある(?)CURIOSISTですが、おかげさまで2013年以降の同人誌即売会では新作を出し続けていられています。
毎度ご協力いただいている皆さまには感謝してもしきれません。


さて、今回のコミケを振り返りますと……新作「キュードル! Q-dol Grand Prix」はサークル参加当日の午前3時26分にマスターアップしました。CURIOSISTにおけるマスターアップは、完成作として頒布するデータ一式(説明書なども含む)がすべて揃い、あとはメディアにデータをコピーするだけの状態になったことを指します。前回のコミケでは午前4時6分にマスターアップしたので、なんと40分も早くなったのです。
これは楽勝だな!さぁ、買いだめておいたDVD-Rにデータを焼きましょう、と我がデスクトップパソコンのCD/DVDドライブに空のメディアを挿入したところ……
反応しない!


ふつう、WindowsパソコンでCD/DVDドライブに空のメディアを挿入すると、メディアに対する操作を選ぶ画面が自動で表示されて、その流れでデータをメディアにコピーすることができます。前回のコミケの時は、何の問題もなくその通りコピーできました。今とまったく同じパソコンを使ってです。構成も変えていません。「ドライバを再インストールすれば治るかな?」とデバイスマネージャーを見ると、なんとドライブの存在自体が認識されていませんでした
あれこれ調べると、レジストリをいじれば治るとか、BIOSに問題があるとか出てきましたが、これらのやり方では解決できませんでした。レジストリは該当のファイルが見当たらなかったし、BIOSUEFIとかいう新しい仕様になってて「僕の知ってるブルースクリーンじゃない!」となったのです。ではハードの問題、たとえばケーブルが上手く刺さってないとか?でもパソコンの筐体を開けていじるのはリスキーすぎる。パソコンの初期化なんてますますしてる時間ない。あと1日、いや10時間あれば、新しい外付けドライブを買ってくることもできたでしょうが……。
「万事休すか……これでCURIOSISTの新作連続完成記録が途絶えるのか……」


その時です。手元にC94、つまり前回の夏コミで入手した、ノンリニアさんの「ブロック・ブロック!!」が目に入ったのは。
「ブロック・ブロック!!」は、キュードル!で芹沢ゆづを描いていただいたkoboshinnさんがグラフィック担当として参加していることで有名なパズルゲームです。この作品はC94ではパッケージで頒布されていたのですが、中を開けるとCDやDVDではなく、名刺サイズのダウンロードカードが入っていたのですね。ダウンロードカードに記されたURLにアクセスし、さらに個別のシリアルコードを入力することで、オンラインでゲームデータがダウンロードできるという仕組みになっています。
朝森は人一倍流行には疎いというか肌触りを大切にするパーソンなので、メディアが無いとは何事か!と入手当初はノンリニアを嘆かわしく思ったのですが、「これも時代の流れか……」と思い直しゲームデータをダウンロードしていました。ゲームは面白かったです。反射神経が鈍いのでEasyしかクリアできていませんが。
というわけで、「ブロック・ブロック!!」と同様にダウンロードカードを封入すればメディアを使わずともコミケでゲームを頒布できると思い立ち、タイムリミットの2時間半ほど前に急遽、新作「キュードル! Q-dol Grand Prix」のダウンロードカードの作成を開始しました。ここでお世話になったのがノンリニアさんも使っていたコンカです。コンカではダウンロードカード自体も作ってくれるそうですが、今回はゲームデータだけコンカに預けるコードオンリープランを利用しました。ゲームが手に渡るだろう人数分シリアルコードを作る必要があり、またファイルサイズが大きくなるとその分お金がかかりますが、今回のCURIOISISTの場合は、DVD-Rそのものの値段より若干高いくらいの費用がかかりました。
URLとシリアルコードを記載するダウンロードカードは、ノンリニアさんよろしく名刺サイズだと何かの拍子にポロっと落として失くすかもしれないので、DVDジャケットより一回り小さいサイズの紙、具体的には12cm×18cmの紙に印字しました。もはやカードというサイズではないですね。

こんな感じの紙です。これをジャケットの中に挟んで頒布することにしました。
ダウンロード期限は2021年12月29日(C95当日から3年間)ですので、お買い求めいただいた方は忘れないうちにダウンロードを済ませていただくことをお勧めします。


なお、サークル参加者には、コミケで初頒布する作品を見本誌としてコミケ準備会に提出する義務があり、それもオフラインで頒布物の内容が確認できる必要があります。つまり「作品データはオンラインにあるので、URLを記したダウンロードカードを頒布します!」の場合も、作品データをDVDなどのメディアに収録したものを提出しなければならないのです。このためCURIOISISTでは、準備会提出用にゲームデータをコピーしたDVDを1枚だけ準備しました。
……あれ?ドライブが使えなかったんじゃなかったの?いえ、パソコンが1台しかないとは誰も言ってません。古いノートパソコンを引っ張り出してきて、これに内臓のドライブでDVDを1枚だけ焼きました。古いパソコンなので起動にも数分かかり、頒布用に何十枚も焼くのはとても無理なスペックでしたが、1枚だけならどうにかなりました。というか、これがどうにかならなかったら準備会への見本誌提出ができずあえなく新作を落としていたところです。本当に助かりました。もちろん確認はしましたが、コンカにアップしたデータと同じものがきちんと焼けていたことを祈ります……。(コンカにアップしたのはzipファイルなのでDVDにもzipファイルを焼いたはず。頒布するものをそのまま提出することになってるのでこれでいいですよね?準備会が内容を確認するにはzipを解凍する手間がかかりますが、それはさすがにやってくれてますよね?)


というわけで、今回もギリギリにギリギリなサークル参加となりました。「同人ゲームは、前日までにデータが揃えば頒布できる!」とは一筋縄ではいかないんですね。もうコミケには20回以上サークル参加(委託含む)していますが、今回のヒヤリハット経験を踏まえ、みなさまにおかれましてはより余裕を持ったスケジュールで制作されることをお勧めします。もちろん自戒を込めて。


ちなみにですが、我がデスクトップパソコンのCD/DVDドライブをたったいま起動したところ、問題なくメディアもドライブも認識されました
本当に何だったんだろうな……。


2019年も、どうぞよろしくお願いします。