徒然CURIOSISM

創作サークル「CURIOSIST」主宰・朝森久弥の雑文の集合体です。

マイベストブック2022

年々発表が遅くなっていることに定評のある朝森久弥の「マイベストブック」です。この記事では、昨年2022年の1年間に読んだ本のうち、私の人生にとくに影響を及ぼした本を紹介します。
マンガ部門とマンガ以外部門に分けて発表します。

 

マンガ部門

【推しの子】

推す幸せを噛みしめて!

【推しの子】の原作担当である赤坂アカは、マイベストブック2017マンガ部門を受賞した『かぐや様は告らせたい』の著者でもあり、私にとってまさに推しのマンガ家です。【推しの子】の序盤の物語展開はすぐには打ち切られないことを前提にしたもので、『かぐ告』で培った地位を遺憾なく発揮しているなと感じました。作画担当の横槍メンゴは、ビターな純愛マンガ『クズの本懐』から追いかけてきましたが、なるほど赤坂アカと組ませるとは集英社の編集者も粋なことをするなぁと思ったものです。

そんな2人が組んだマンガなので物語が一筋縄ではいかないのは織り込み済みで、とくにヒロインのこじらせ具合が良くも悪くも注目される作品です。私は有馬かなの存在を知って全巻購入を決めました。はい、こってりしたオタですね。どんなキャラを出したら人気が取れるのか、すごく計算して描かれているはずです。

芸能界が舞台ということで、芸能界の裏事情が学べる風のマンガにもなっています。もちろんきちんと取材して描いているのは確かでしょうが、実はその信憑性はこの作品を推す上での重要ポイントではないんですよね。では何が推しポイントかというと、登場キャラひとりひとりのエゴです。アクアやルビーといったメインキャラクターだけでなく、サブキャラクター、一度きりのキャラにもスポットライトを当て、そのキャラなりのもがきを描いている。結果がいつもベストとは限らないけれど、みんな自分の置かれたポジションで最善を尽くしている。その姿が描かれているからこそ、新しいキャラが出てくるたびに「推せる!」となるのではないかと感じています。

私も30代半ばになったからか、全体として大人のキャラに共感することが多いのですが、高校生(初登場時)俳優の鳴嶋メルトの成長ぶりをほほえましく見ています。少年少女成長譚からしか摂取できない栄養がありますよね。再登場を期待しています。

 

マンガ以外部門

TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+

宇宙を目指す私の道標になった!

2022年に受験した、JAXA宇宙飛行士候補者選抜の英語試験対策として入手しました。『宇宙飛行士という仕事』(柳川孝二)によれば、2008年に実施された前回の選抜では、書類選抜と並行してTOEIC試験で英語力を測り、70%程度(990点満点で約700点)の得点を要求したという記述があったからです。TOEICは学部生のときに数回受けたきりで、短期間で得点力を高めるには模試を繰り返すのがベストだと考え、3回分の模試が入っているこの本を選びました。

2022年2月6日、英語試験の約3ヶ月前にこの本についている1回目の模試を解いところ、640点という低スコアを記録。このままでは不合格は必至です。私は危機感を募らせ、試験まで英語漬けの生活を送ることを決心しました。他にもいくつかの英語教材に取り組みましたが、結局一番時間を割いたのがこの本でした。著者のヒロ前田先生が提唱する「3回チャレンジ法プラス」を愚直に実践したところ、3回の模試を使いつぶすのに100時間はかかったからです。

正直なところ、この本を解いている最中は得点力アップをあまり自覚できていなかったのですが、英語試験の5日前に『公式TOEIC Listening&Reading問題集8』を解いたら、参考スコアの範囲は720-860点を記録。中央値では790点となりました。もっと高得点を取れる受験者も大勢いたでしょうが、この時初めて「英語試験を通過できるかも」という手ごたえを感じました。当日の英語試験ではSpeakingとWritingもあり、それはそれで大変でしたが、私の英語試験通過に最も寄与したのはこの本だったと確信しています。

TOEIC学習をある程度積み重ねると、英語のニュースや文献を読んだり聞いたりすることに抵抗感が薄れました。すると「英語から遠ざかってきたばかりに、これほどの有益な情報を知らずに過ごしてきたのか」という気持ちが募ってきたのです。今後は宇宙飛行士を目指すかどうかにかかわらず、英語での情報収集・発信に積極的に取り組みたい。そんな思いを起こさせてくれた本でもありました。

 

ノミネート作品

マイベストブック2022のノミネート作品は以下の通りでした。
(並び順は五十音順であり、順位ではありません)

 

【マンガ部門】

・ウィッチウォッチ(集英社

・【推しの子】(集英社

・ガクサン(講談社

・タコピーの原罪(集英社

・チ。―地球の運動について―(小学館

 

【マンガ以外部門】

・宇宙飛行士という仕事(中央公論新社

・「大学入試学」の誕生(金子書房)

TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+(アルク

・なんとな~く物理(永岡書店)

メタバース進化論――仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界(技術評論社

 

『ウィッチウォッチ』は真桑先生と嬉野さんのエピソードが解像度高すぎて、もはや同人活動史書としての価値があるとすら思います。『タコピーの原罪』はしずまりも良きですけど、個人的には東くんが救われたのがよかったです。

『「大学入試学」の誕生』は、昨今の大学入試改革(騒動)への対応で脚光を浴びた倉元先生らの本で、今後この分野が興隆してほしい、というか興隆させなければと強く思いました。『メタバース進化論』はバーチャル美少女ねむさんによるメタバース案内書、という体裁の思想書です。50年後くらいに高校の倫理の教科書に載るかもしれませんね。

 

今年も素晴らしい本に出会えますように。

2023年の抱負。/My resolution for 2023

こんにちは、朝森久弥です。

明けましておめでとうございます…とはさすがに言えない時期になってしまいましたが、毎年恒例の「今年の抱負」です。まず去年の抱負を振り返ってから、今年の抱負を発表します。

 

2022年の抱負を振り返り。/Look back my resolution for 2022

全体スローガン:“教育系”教育系VTuberの第一人者になる

 

「ゲーム制作」:教育系VTuberが出演するクイズゲームをリリース

できませんでした。宇宙飛行士候補者選抜に没頭していて、ゲーム制作にかける時間をほとんど取れませんでした。また、ゲームの主な発表先として考えていた「ゲームアツマール」のサービス終了が発表され、構想の変更を余儀なくされました。アイデアは思いつくたびに書き留めていますが、具体的な作業は進んでいません。

 

「日本オタク文化」:『イチから学ぶ日本オタク文化』の継続的公開

ある程度できました。朝森久弥がスライドを作って、相田知広に動画を作ってもらうスタイルで、年間に30本の動画を公開しました。ただ、11月以降は『進学校Map 三訂版』の作業にかかりきりで公開を一時停止していました。

 

「教育データバンク」:『進学校Map 三訂版』の全都道府県達成と、進学校Map以外の教育情報コンテンツの継続的公開

できました。当初の予定を少し過ぎたものの、2022年12月に『進学校Map 三訂版 vol.3[北海道・東北・関東編]』を刊行し、YouTubeの「進学校事情を語る」動画も全都道府県を網羅しました。また、進学校Map以外では、高校入試の直前対策動画や公立中高一貫校の解説配信、大学院生活を語る配信など、広範囲の成果物を形に残すことができました。

 

2023年の抱負!/My resolution for 2023!

CURIOSISTブランドの国際化を果たす/I internationalize CURIOSIST

 

2023年1月15日に、CURIOSISTの新しいブランドスローガンを掲げました。それが、

知識で世界をつなぐ/Connecting Worlds With Knowledge

です。

もっとも、これは私が随分前から心がけてきたモットーでもあります。単に知識をひけらかすのではなく、知識を届ける相手に「それは知らなかった!」と新しい世界の存在に気づかせたい。境遇や価値観が異なる人に前提知識を共有することで、互いの相互理解を促進したい。そう想いながら活動を続けてきました。

そんな時、ふと気づいたのです。私は日本国内という、ある程度同質的な集団だけを相手にしていて、境遇や価値観が異なる人にあまり目を向けてこなかったのではないか。もちろん、『進学校Map』で述べているように日本国内でも境遇や価値観は多様なのですが、CURIOSISTを名乗っている割には視野が狭いのではないかと思ったのです。私たちが作った『オタク年齢診断』などを、日本国外の人が遊んでいるのを見聞きしたにもかかわらず。

私は昨年、宇宙飛行士候補者選抜に取り組む中で、英語を集中的に学ぶ機会を得ました。その過程で日本国内では出会えなかった人と話したり、日本のメディアでは読めないニュースを読んだりして、英語を使えば視野が広がることを痛感しました。他の言語も使えば、さらに視野が広がることは間違いないでしょう。

CURIOSISTがこれまで作ってきたコンテンツはともかくとして、掲げている理想は日本国外にも通用すると信じています。CURIOSISTというブランドの、もっと言うと朝森久弥のファンを増やしていくためにも、日本国外に視野を広げていくことは必要不可欠であると考えました。

 

具体的には、年間を通して次のような活動に取り組んでいきます。

★CURIOSISTの各種サイト(公式サイト、YouTubeなど)の日英併記/Writing our websites in both Japanese and English

★『イチから学ぶ日本オタク文化』の日英併記/Writing "Japan's Otaku Culture for Beginners" in both Japanese and English

★日本国内の学校教育事情を英語で発信/Providing Japan's educational information in English

★日本国外の学校教育事情の発信/Providing educational information outside Japan

★言語圏を問わず楽しめるゲームの制作/Creating games can be played in any language

 

5大陸50ヵ国超に渡航した人間として、国際化=英語対応とは微塵も思っていないのですが、現実問題、英語から始めることが最も手軽かつ効果的なので、今年はまず英語にコミットしていきます。その上で他の言語圏にも手を広げていきたいです(個人的にはエスペラントに興味があります)。

 

あらゆる境遇・価値観の人々が、知識というツールでつながり、仲良くする世の中を目指して、私は今年もがんばります。そして、CURIOSIST20周年となる2024年を明るく迎えましょう!

VTuberで同人作家が宇宙飛行士選抜試験を受けた話

明けましておめでとうございます、朝森久弥です。

 

私は宇宙飛行士選抜試験、正確に言うと、JAXA宇宙航空研究開発機構)による2021年度宇宙飛行士候補者募集に応募し、2022年の約1年にわたり選抜試験を受験しました。

4127人の応募者の中から、第二次選抜に残った50人のうちの1人になったものの、第三次選抜(最終選考)に進むことはできませんでした。

 

VTuberにして同人作家という、一見すると宇宙飛行士とはかけ離れた存在である私が、なぜこの試験を受けたのか?この試験を受けてどんな想いを抱いたのか?

それらを、JAXAに迷惑がかからない程度に書き記しておこうと思います。

 

この世界のすべてを知りたい

昭和時代の末期に生まれた私は、幼いころから多方面に興味を示す人間でした。小2の自由研究のテーマはダム。小3でバトルえんぴつの自作、小4で地図づくり、小5で遊戯王ライクなカードゲームづくりに勤しんだら、小6では日本史にハマり、中1で魏志倭人伝を現代語訳していました。

スポーツはあまり得意ではなく、昼休みはだいたい学校の図書室で過ごしていました。通学路から見える景色の大半が田畑で占められる田舎で生まれ育った私にとって、本は刺激的な未知の世界への貴重な道標だったのです。

中学生のとき、近所に観覧車ができたというので乗りに行ったら、見えたのはふだんと同じ田園風景でした。

「この景色だけを見て一生を終えるなんてもったいない。もっともっと、いろんな世界を見てみたい」

そんな思いを強くしました。

私の父は高専卒のエンジニア、母は高卒の専業主婦で、2人から大学進学はとくに勧められませんでした。何なら、就職に有利だからと高専をよく勧められたほどです。地元を愛し地元のメーカーで働き、家族6人を養った父は尊敬していますが、私は何としてもこの田舎から出て、世界を股にかけて生きていきたいと決心しました。

 

隣町の公立進学校に進学した私は、学校主催の講演会で毛利衛宇宙飛行士と出会いました。講演会の前までは、宇宙という未知の世界に興味はあったものの、宇宙飛行士という職業に強い関心は持っていませんでした。というのも、小学生のときに読んだ某子ども百科事典に「目が悪いと宇宙飛行士になれない」と書いてあったからです。当時すでに視力0.1を切っていた私はお呼びでないと思い込んでいました。そこで私は、講演が終わった後の質疑応答タイムで、毛利さんにこのような質問をしました。

「私は目が悪いので宇宙飛行士になれないのですが……毛利さんには、月とか火星とかに行ってもらえないでしょうか?」

質問というかリクエストをしてしまったのですが、毛利さんはこのように答えました。

「これからは、目が悪くても宇宙飛行士になれますよ。自分でなって、行ってみるのもいい。がんばって」

そう言って毛利さんは、私と握手を交わしてくれました。

「目が悪くても宇宙飛行士になれる」

その事実を知らされて虚をつかれた私は、同時に、毛利さんの手から何か熱いものを受け取った気がしました。

それが、私の人生が始まった瞬間だったのです。

 

CURIOSISTとして生きる

この世界のあらゆるものを知りたいと願う私にとって、宇宙飛行士は魅力的な手段のひとつです。それを目指すことができるならば、目指さない理由はありません。ただ、私の興味は多方面に拡散していて、宇宙工学などの「いかにも」な分野に全力でコミットするのは違和感がありました。高校では一応理系クラスにいたものの、世界を股にかけて働く国連職員になるために国際関係学を学ぶことも視野に入れていたくらいです。それでも、理系学部を出た方が有利なことは確かなので、興味が移ってもつぶしが効きそうな理学部化学科を選びました。何より、毛利さんも理学部化学科卒ですから間違いないでしょう。

宇宙に行きたいのに、地球のことをまだろくに知らないと気づいた私は、手始めに世界一周旅行をすることにしました。まず大学1年の夏休みに青春18きっぷで日本一周一人旅をし、旅行経験値を高めてから、大学2年の夏休みに世界一周一人旅をしました。その次は南極大陸に行くためその手の大学院(国立極地研究所)に進学しようかと考えましたが、大学2年の冬にコミックマーケットに出会い、創作活動に興味を抱きました。人がなぜ、生きるのに必須ではない創作活動に没頭するのか、そこから生み出される創作物を愛するのかを知りたいと思い、大学院では認知科学を専攻することにしました。同時に、自らも創作活動に励み、同人ゲームや同人誌を作っては、コミックマーケットなどの同人誌即売会に数十回出展して頒布しました。

 

私はマンガやアニメ、ゲームといった日本オタク文化も大好きですが、創作活動においては、一人でも多くの人に「知る楽しさ」を届けたいという想いで活動しています。あらゆる分野の知識に興味を示し、自分の世界を拡げることに感じてきた喜びを、多くの人と分かち合いたいと考え、ガチ勢向けではないクイズゲームを多く作ってきました。また、世の中で起こる揉め事や不和の多くは共通認識の相違にあると考え、地域や世代で共通認識の相違が激しい教育分野で何冊かの本を書いてきました。さらに、多くの人に知識を楽しく、所属を明かすことなく伝える手段として、VTuberとして動画配信にも取り組んでいます。

大学院を出てから現在に至るまでの職業は明かしませんが、私の創作活動と同様、一人でも多くの人に「知る楽しさ」を届けたいという軸で選びました。宇宙飛行士を目指す人がふつう選ぶ職業ではないけれども、宇宙開発が進展すれば宇宙飛行士に必ず求められる能力が得られる確信がありました。

 

CURIOSISTは「好奇心旺盛な人」という意味で、私の造語であり、モットーです。人類の好奇心の極致・宇宙開発の先鋒である宇宙飛行士は、飛び切りのCURIOSISTであるに違いありません。

CURIOSISTとして自分を高めたその先に、宇宙飛行士というキャリアが見える。そう信じて日々を積み重ねてきたところに、今回の募集の報が入ったのです。

 

学びを活かす(書類選抜・第0次選抜)

2022年1月1日。宇宙飛行士選抜試験のマイページに登録を済ませた私は、試験が終わるまで断酒すると決めました。結果として2022年は酒を1滴も飲まずに過ごしました。

試験に応募するにはエントリーシートだけでなく、健康診断結果も提出しなければなりません。この健康診断が宇宙飛行士選抜仕様の特殊なもので、どこの病院でもやってもらえるものではありませんでした。健康診断を受けられる病院を探すところから選抜が始まっていたのです。私は、航空身体検査(パイロット用の健康診断)を手がけている病院ならやってもらえるのではと当たりを付けて、都内の病院で健康診断を受けました。

 

書類選抜の次にある0次選抜に英語とSTEM(理数系)の試験があることは分かっていたので、2月からはエントリーシート作成と並行して対策を始めました。当初は英語とSTEMを日替わりで対策しようと考えていましたが、2月頭にTOEICの参考書の模擬試験を解いたら640点(990点満点)しかなく、STEMよりも英語の方がボーダーを超えられない可能性が高かったので、まず英語対策に注力することにしました。

今回の宇宙飛行士選抜試験は、初期段階ではオンラインで行われました。このため選抜中に他の受験者と会う機会が少なく、もっぱらTwitterで動向を追うことにしました。他の受験者の英語力の高さをツイートで見せつけられたり、華やかな経歴の人が何人も応募していたりするのを目の当たりにし、戦々恐々とした日々を過ごしました。

 

4月22日に書類選抜の発表があり、Twitterの受験者クラスタに衝撃が走りました。応募資格と健康診断結果、健康状況申告のみを審査すると告知されていたにもかかわらず、4127人の応募者のうち、通過したのは2266人と半分強しかいなかったからです。健康診断の基準が想像以上に厳しく、誰が見ても華やかな経歴の人が何人も落ちていました。私よりも宇宙に対する思い入れが強い人も大勢いた中、運良く書類選抜を通過した私は彼らの分も頑張らなければという想いに駆られました。

 

5月8日にオンラインで英語試験を受け、通過できたか一抹の不安を抱きつつも、次のSTEM等の試験対策に取り組みました。理学部化学科を卒業しているので、化学はどうにかなると踏んで、公務員試験のテキストでひたすら数学と物理の問題演習をしました。

STEM以外にも人文科学・社会科学分野の知識も問われましたが、この点については、長年クイズゲームを作ってきた経験が役に立ちました。私のクイズゲームでは高校までで学ぶあらゆるジャンルの四択クイズを収録しており、このクイズを数千問、自分の手で作ってきたからです。

news.denfaminicogamer.jp

クイズガチ勢が解くようなマニアックなクイズは苦手ですが、公務員試験の教養試験で問われるような広範な教養クイズにはマッチしていました。

5月20日に英語試験の合格発表があり、約3ヶ月間の英語対策はひとまず報われました。

ただ、英語試験は1407人と受験者の約6割が通過したこと、通過者の中で決して上位の成績でないことが後で分かり、英語力のさらなる向上に励まずにはいられませんでした。

 

5月29日にオンラインで「一般教養試験等」を受験しました。ここでは前述のSTEMや人文科学・社会科学を含めた一般教養試験に加え、小論文や適性検査を行いました。1000人以上が同時刻に受験した影響か、サーバーがとても重たく、問題文のページを切り替えるのに1回につき10秒ほどかかったり、接続が途中で途切れてログインし直したりしました。「さすが宇宙飛行士選抜試験、とんでもないストレス耐性テストだな」と言い聞かせて問題を解きましたが、試験2日後にJAXAからお詫びのアナウンスがあり、通信トラブルに遭遇した受験者のうち希望者全員に追試験が設定されました。とは言え、朝から夕方まで丸一日かかる試験を2週続けて受ける余力はなく、一応解答データはすべて提出されていることが分かったので、運を天に任せて追試験はパスしました。

6月28日に「一般教養試験等」を含めた第0次選抜に通過しました。この時点で受験者は残り205人、当初の約20分の1に絞られたのです。

 

これまでの人生が試される(第一次選抜・第二次選抜)

第0次選抜の通過発表からすぐに、私はオンライン英会話を始めました。10月に予定されていた第二次選抜では英語面接があり、第一次選抜の合格発表が出てからでは間に合わないと考えたからです。コロナ禍で2年以上海外に行けていなかったとはいえ、ふだんから英会話に慣れておくべきだったと痛感しました。また、歯科に行ったところ奥歯1本の根元が割れている(歯根破折)疑惑が生じ、しばらく治療してもよくならなかったので、約50万円をかけて7月上旬にインプラントを入れることにしました。

 

第一次選抜は7月中旬から8月上旬にかけて行われ、以下の内容が課されました。

・一次医学検査

・医学特性検査

・プレゼンテーション試験

・資質特性検査

・運用技量試験

このうち一次医学検査は病院で他の受験者と対面する機会が少しありましたが、他は主にオンラインだったので、ほとんど個の闘いという印象でした。第一次選抜で問われた能力は幅広く、自信を持ってすべてをこなせた人はいなかったのではないでしょうか。個人的にはプレゼンテーション試験が面白く、VTuberとして活動してきたことも役に立ったのではないかと思います。

 

第一次選抜が終わってから1ヶ月経っても結果発表がなく、Twitterでも選抜試験が話題となることが少なくなってきました。同志を見つけるのが難しい中、とにかくオンライン英会話と体力づくり(ジョギング、腹筋、背筋、腕立て伏せ、ストレッチ)に打ち込みました。

9月30日にようやく第一次選抜の結果発表があり、合格通知を見たときは喜びでいっぱいになったと同時に、早めにインプラントを入れておいてよかったと思いました。

 

第二次選抜の受験前に帰省して、両親に初めて選抜試験のことを話しましたが、驚かれはしたものの、「これまで散々海外に行っているし、今度は宇宙か~」くらいのノリでした。大学2年で世界一周に行ってからも事あるごとに海外に行き、コロナ禍までに53ヵ国に行ったことで、もはやそういう人間だとみなされていました。もっとも、私に養う家族がいたら反応は違ったかもしれませんが。

 

第二次選抜は10月中旬から11月下旬にかけて行われ、以下の内容が課されました。

・二次医学検査

・医学特性検査

・面接試験(英語、資質特性、プレゼンテーション)

 

第二次選抜は、その多くが対面で行われました。50人の受験者はいくつかのグループに分かれ、同じグループの人とは数日かけて同じ場所で選抜に挑みました。驚いたのは、受験者のバックグラウンドが想像以上に多様だったことです。これまでのJAXA宇宙飛行士は、パイロット、科学者、エンジニア、医者のいずれかであり、前回(2008年)の選抜の最終選考でも全員がこのいずれかでしたが、今回はこれ以外の職業の人が大勢いました。商社やベンチャーキャピタルで働いている人、現職の市議会議員など……。JAXAが門戸を広げたのはアリバイではないことを実感しました。

第二次選抜の受験者は、ほとんどの場合周りに宇宙飛行士を目指す人がいない中で、黙々と対策を積んでここまでやってきた人々です。選抜の内容をうかつに外部に話すわけにもいかず、同じテンションで盛り上がれる人がいませんでした。そんな人々がついに対面で出会えたわけですから、積もる話が尽きません。選抜後の飲み会も大いに盛り上がりました。

自分という存在を丸裸にされた(二次医学検査は、ほぼ文字通り)第二次選抜において、自分を飾ることは不可能であり、ありのままの自分をぶつけるしかありませんでした。けれども、私にとってはむしろありがたいことでした。職場ではVTuber活動や同人活動の話は一切しないし、ここでは職場の話はしません。もちろんそれはメリットがあってそうしているのですが、どちらの自分もさらけ出すことができる機会は稀有なのです。JAXA宇宙飛行士の面接試験で、コミックマーケットという言葉が飛び交ったのはおそらく私が初めてでしょう。宇宙飛行士を目指す人の多様性をJAXAに見せつけることができたなら、それだけでも受験した甲斐があったのではないかと思います。

 

これからの話

結果として第二次選抜は通過できませんでしたが、私がこれまで歩んできた道のりは決して間違いではなかったと確信しています。今後も宇宙飛行士という職業を目指すのかについては、まず健康面がどうなのか次第なところがあるので何とも言えません。けれども、CURIOSISTである私の選択肢に「宇宙に行く」が入り続けるのは言うまでもないでしょう。

ひとまず、地球にいてもやれることはたくさんあるので、それらに打ち込んでいきたいです。とくに意識したいのは、朝森久弥というブランドのファンを増やすことです。日本の中の、日本オタク文化に親和性の高い人たちだけでなく、国境の壁を超えた、多方面に認知される存在になる。そうすることで「知る楽しさ」をより多くの人に届けていきたい。宇宙開発への関心が高い社会も、きっとその先にあるのではないでしょうか。

 

朝森久弥はCURIOSISTとして生きていきます。これまでも、これからも。

コミックマーケット101新刊などの告知

こんにちは、朝森久弥です。

 

同人サークルCURIOSISTは、2022年12月30日・31日に開催されるコミックマーケット101(C101)に合わせて通販で新刊を出します

 

コロナなど色々な事情でサークル参加申し込みはしていないのですが、それでもコミケ時期に新たな同人誌を出せば注目が集まりやすいのは明らかです。また、通販で同人誌を売ることで、コミケ会場に行けない人にも手に取ってもらえるというメリットがあります。

 

おしながきは、以下の通りです。

ビッグサイトに行ってもCURIOSISTのスペースはないのでご注意ください。もし朝森久弥に声をかけたい方がいらっしゃれば、Twitterなどオンラインでお願いします。

 

CURIOSISTがC101で出す新刊は、

進学校Map 三訂版 vol.3[北海道・東北・関東編]』

です。

日本全国の進学校事情を分析した評論同人誌シリーズの第3弾で、ついに日本全国47都道府県を網羅しました。YouTubeに新刊の紹介動画を投稿しています。

 

www.youtube.com

新刊はメロンブックス通販とBOOTH通販でお買い求めいただくことができます(2022年12月31日までは予約受付)。

メロンブックスでは2000円、BOOTHでは1600円となりますが、送料などを考えるとどちらがお得とは言い切れないので、都合の良い方でお買い求めください。

『進学校Map 三訂版 vol.3[北海道・東北・関東編]』メロンブックス通販ページ

『進学校Map 三訂版 vol.3[北海道・東北・関東編]』BOOTH通販ページ

 

なお、『進学校Map 三訂版』シリーズは、まだvol.1[中国・四国・九州編]とvol.2[中部・関西編]も在庫があります。他の地域に興味がある方、3冊とも揃えたい方はこの機会をお見逃しなく!

 

 

ほかにも、日本のマンガ・アニメ・ゲームの歴史と現状をイチから学べる同人誌『教科書 日本オタク文化(上巻・下巻)や、Webで無料で遊べるクイズゲーム『オタク年齢診断』など、広範囲に楽しく学べるコンテンツを取り扱っています。こちらも併せてチェックしてみてください。

『教科書 日本オタク文化 上巻』メロンブックス通販ページ

『教科書 日本オタク文化 下巻』メロンブックス通販ページ

 

game.nicovideo.jp

freegame-mugen.jp

 

今回も楽しいコミケにしていきましょう!

マイベストブック2021

2022年に入ったらすぐに書こうと思っていたらここまで引っ張ってしまった、朝森久弥の「マイベストブック」です。この記事では、2021年に読んだ本のうち、私の人生にとくに影響を及ぼした本を紹介します。
マンガ部門とマンガ以外部門に分けて発表します。

 

マンガ部門

二月の勝者 ―絶対合格の教室―

想像力から始まる教育談義の輪!

『二月の勝者』は、日本の(首都圏の)中学受験事情がよく分かることで早くから話題となっており、教育をライフワークとする私は「読まなければならない」という義務感に駆られていました。私は田舎県生まれで中学受験を経験しておらず、都内の国立大学の大学院に入って初めて中学受験の世界を見聞きしたくらいですから、「小学生なのに遊べなくてかわいそう……」くらいのイメージしか持っていなかったのです。ところがこのマンガを読んだ結果、何が人々を中学受験に駆り立てるのかを理解することができました。おそらく、幼少期の私がそのまま東京で生まれ育っていたら、中学受験に身を投じていた可能性が高いでしょう。そう考えると、このマンガに登場する人々の悲喜こもごもは、とても他人事だとは思えないのです。

ですが、『二月の勝者』の最推しポイントは、中学受験ノウハウの伝授ではありません。主人公の塾講師・黒木蔵人は、もう一人の主人公であり同僚(部下)の佐倉麻衣に対して、ある秘密を抱えています。その秘密の存在自体は物語の序盤からほのめかされてきましたが、秘密が明かされたのはそこから100話以上連載した後でした。詳しくはネタバレになるので避けますが、秘密が明かされた回を読んだとき、私は「作者はこの話が描きたくて『二月の勝者』の連載を始めたんじゃないか」と思い至ったのです。この話は、単体で読んでもそこまでのインパクトはなかったでしょう。けれども、いつまで連載が続くか確証がない中、100話以上の連載を重ねて中学受験指南マンガとして確固たる地位を確立した上で、満を持してこの話を出したからこそ、このマンガのメイン読者、すなわち中学受験が身近な人たちに深く刺さるものになったのです。

教育業界に限らないことですが、世の中には「ある情報を最も知ってほしい人に限って、その情報を届けるのが難しい」というジレンマがあります。“最も知ってほしい人”は大抵、その情報を意識する機会から最も離れた位置にいるからです。そのジレンマをどうクリアするかという一つの答えを、『二月の勝者』から学ぶことができました。

また、このマンガの登場人物はみな個性豊かで、それぞれ「こういう生い立ちだから、こう振舞うのだろうな」と納得させられる場面が満載です。どんな読者も、登場人物の誰かには感情移入できることでしょう。その上で「自分だったらどうしたかな、どう感じたかな」と考えてみてください。きっとそこから、子育てや教育を自分事として語る手がかりが得られるはずです。

 

マンガ以外部門

障がいのある人の性 支援ガイドブック

身近だったのに見落としていたことに気づかされた!

『障がいのある人の性 支援ガイドブック』の著者である坂爪慎吾氏は、重度の身体障碍を持つ人に対する射精介助サービスで知られる一般社団法人ホワイトハンズの代表理事です。私がホワイトハンズの射精介助サービスを知ったのは、確か2014年くらいのことでした。体が自由に動く人は、何らかの手段で自分の性欲を解消できるけれども、障碍を持つ人にはそれが難しい。障碍を持っているからと言って性欲がなくなるわけでもないので、確かに必要とされ得るサービスだよなと思ったものです。ただ、その時はそれきりでした。

それから約7年が経ち、コロナ禍で外出に制約がかかる中、私は自宅でできる活動として資格取得を思い立ちました。私は就職して以来しょっちゅう旅行に行っていましたが、学生時代は資格マニアに片足突っ込んでいたのです。せっかくなのでユニークな資格を取ろうと色々調べていたところ、『障がい者の性」検定』に出会いました。これは、障碍を持つ人の性に関する支援の理論と方法を学ぶための検定で、先述したホワイトハンズが主催しています。

white-hands.jp私は、障碍を持つ人の性に関する支援の知識が、検定が行える程度に体系化されていること、また、非営利団体のマネタイズの方法として検定という手段が採られていることに興味を抱き、『「障がい者の性」検定』を受験することにしました。この検定は、ホワイトハンズから送られてくるテキストを読み込み、同封の検定問題を解いて回答を提出するという形式で行われました。このテキストのひとつが、『障がいのある人の性 支援ガイドブック』だったわけです。ちなみに、検定はふつうに受かりました。

『障がいのある人の性 支援ガイドブック』には、身体障碍だけでなく、知的障碍、精神障碍を持つ人が持つ性の悩みにいかに対応するかが、支援者の目線で書かれています。介護福祉士など福祉の仕事をする人にとっては、とくに実践的な内容でしょう。しかし、そこに貫かれている基本的な考え方は、障碍を持っているかにかかわらず誰もが大切にすべきことであり、いわゆる健常児を育てる保護者の方にも役に立つ内容だと感じました。

また、この本を読みながら私は、重度の身体障碍を持っている妹のことを思い返しました。妹は喋れないので何を思っているかは分からないのですが、彼女もきっと性について考えたことはあるはずなのです。私はそのことをこの本を読むまで意識しておらず、これまで随分、無遠慮に彼女に接してしまったと反省しました。身近に障碍を持つ人がいる私ですらこうなのですから、そうでない人にとって「障がい者の性」はまだ縁遠い概念なのでしょう。けれども、障碍を持つ人は決して少なくありませんし(日本では約13人に1人)、障碍を持つ可能性は誰にでもあります。身近な問題のひとつとして、私なりに広めていきたいです。

 

ノミネート作品

マイベストブック2021のノミネート作品は以下の通りでした。
(並び順が順位を表すわけではありません)

 

【マンガ部門】

・【推しの子】(集英社

・二月の勝者 ―絶対合格の教室―(小学館

・ブルーロック(講談社

・魔女に捧げるトリック(講談社

・トリリオンゲーム(小学館

 

【マンガ以外部門】

・バッタを倒しにアフリカへ(光文社)

・実力も運のうち 能力主義は正義か?(早川書房

ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち(光文社)

・障がいのある人の性 支援ガイドブック(中央法規)

・10分後にうんこが出ます ―排泄予知デバイス開発物語―(新潮社)

 

『【推しの子】』は有馬かなと黒川あかねのデッドヒートが目玉とされていますが、私は鳴嶋メルトの成長譚も正しく少年マンガしてて好きです。『魔女に捧げるトリック』は短期連載になってしまいましたが、ヘルガがめちゃくちゃカッコよかったです。

『バッタを倒しにアフリカへ』はポスドクの、『10分後にうんこが出ます』はスタートアップの奮闘記です。どちらも行くところまで行けば誇張なく世界を救う仕事ですが、その入り口に立ち会えたのはすごくラッキーでした。

 

今年も素晴らしい本に出会えますように。

2022年の抱負。

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

毎年恒例の「今年の抱負」です。まず去年の抱負を振り返ってから、今年の抱負を発表します。

 

2021年の抱負を振り返り。

全体スローガン:メディアミックスで広がる世界

 

「ゲーム制作」:『アマゲチッタ!!』第2弾リリース

できました。『アマゲチッタ!!』シリーズ第2弾として、12月30日(新コミックマーケット99開催日)に『アマゲチッタ!!2 未完のオタクアイランド』をリリースしました。前段階として5月に出したクイズゲーム『オタク年齢診断』がとんでもない勢いでバズったため、『オタク年齢診断』の世界観を下敷きに、腰を据えて遊べるクイズゲームを作りました。また、同人誌『教科書 日本オタク文化』に準拠したクイズゲームとして第1弾以上に結びつきを強めたことが功を奏し、『教科書 日本オタク文化』を改めて多くの人に買っていただくことができました。

 

「日本オタク文化」:『教科書 日本オタク文化』授業動画の公開

できています。2021年5月からYouTubeCURIOSIST公式チャンネルで、週1~2ペースで『教科書 日本オタク文化』の授業動画である『イチから学ぶ日本オタク文化』を公開しています。2021年12月末までに公開した授業動画は41本ですが、最終的には約130本に達する予定で、CURIOSIST公式チャンネルにおいて息の長いコンテンツになりそうです。

 

「教育データバンク」:note(朝森教育データバンク)の継続的更新と『進学校Map』三訂版刊行

できました。note(朝森教育データバンク)では2021年の1年間で33記事を公開し、2020年の1年間に比べて約7倍のPVを集めました。進学校の話題を中心としつつも、『戦前日本の学校制度を大雑把に解説する』など、学校教育を幅広く論じる手ごたえを得ました。同人誌『進学校Map 三訂版』は、vol.1として中国・四国・九州編を5月に、vol.2として中部・関西編を12月に刊行し、まだ印刷費は回収できていないものの、改訂前に劣らない規模の人に買っていただいています。

 

2022年の抱負!

【全体スローガン】

“教育系”教育系VTuberの第一人者になる

 

CURIOSISTは知る楽しさを提供するコンテンツを創作するために立ち上げた同人サークルですから、その活動は必然的に教育に結びつきます。私はVTuberブームの波に乗り、2021年7月に教育系VTuberになりました。私の定義によれば、教育系VTuberは知識伝授を主目的として活動するVTuberを指します。私の得意分野は学校教育情報ですから、教育系の知識伝授をする教育系VTuber、さしずめ“教育系”教育系VTuberと自称すればよいでしょうか。

また、教育系VTuberという存在そのものにも大きな可能性を抱いています。2021年7月に雪月うさぎ先生を知ったことを皮切りに、教育系VTuberの活動実態を調査したところ(こういう概括的な調査は得意なのです)、すでに100を超える教育系VTuberが日本語圏を中心に活動していることを見出しました。

note.com2022年1月現在、教育系VTuberはまだ黎明期と言って差し支えありません。ですが、私が長年手がけてきた日本オタク文化の分析に基づけば、VTuber、中でも教育系VTuberはこれから一層成長する業界だと確信しています。そこで、今の段階から“教育系VTuberを大いに盛り上げ隊”の先頭に立ち、自分自身も教育系VTuberとして成長していくことで、“教育系”教育系VTuberの第一人者になれるという魂胆があります。具体的には……

 

「ゲーム制作」:教育系VTuberが出演するクイズゲームをリリース

⇒教育系VTuberは「講義」や「解説」と称して知識を発信するコンテンツを盛んに出していますが、そうした知識を定着させるコンテンツは乏しいように思います。学校では学んだことを身に着けるために、授業を受けるだけでなく、問題集を解いていますよね。私には、ここでいう「問題集」を作るノウハウがあります。そう、18年近く続けてきたクイズゲーム作りです。

将来的には、教育系VTuberひとりひとりの「講義」や「解説」に準拠したクイズゲームが作れるとよいですが、まずは教育系VTuberクイズゲームを結びつけるため、教育系VTuberが得意ジャンルのクイズを繰り出す体裁のクイズゲームを作ります。学問系・実用系・娯楽系など、さまざまなジャンルの教育系VTuberの方々にご協力いただければ、数多くの教育系VTuberが出演するオールジャンル型クイズゲームの制作も夢ではありません。

 

「日本オタク文化」:『イチから学ぶ日本オタク文化』の継続的公開

⇒2021年に引き続き、教育系VTuberの相田知広と協力して動画授業『イチから学ぶ日本オタク文化』を公開していきます。相田知広がスムーズに授業できるように、授業のスライドを作り上げていかねばなりません。概ね週に1回のペースで、年間合計40~50本の動画を公開します。

 

「教育データバンク」:『進学校Map 三訂版』の全都道府県達成と、進学校Map以外の教育情報コンテンツの継続的公開

⇒まず、2022年8月をめどに『進学校Map 三訂版 vol.3[北海道・東北・関東編]』を刊行し、『進学校Map 三訂版』の全都道府県制覇を達成します。note(朝森教育データバンク)およびCURIOSIST公式チャンネルでも、『進学校Map 三訂版』に基づいた情報発信を行います。

進学校Map以外でも、学校教育に軸を置いた幅広い対象のコンテンツを展開することで、「さすが“教育系”教育系VTuberを自称するだけのことはあるね」と言われる程度の存在を目指します。日本の子供たちがよく目にするメディア(とくにYouTube)の教育系コンテンツが塾・予備校が発信するものに偏っている現状に危機感を抱いており、利害関係を持たずに趣味でやっているからこそできる率直な情報発信で、一人でも多くの人の人生の選択肢を増やしていきます。

 

 

あと、私事ではありますが、以前から目指しているJAXA宇宙飛行士の候補者選抜が2022年から実施されるため、これを受験する準備を同人活動と並行して進めています。1月末に行われる応募前の健康診断をパスすれば応募資格を満たし、かなり忙しい1年となりますが、その先にある未来を見据えて励んでいきます。

 

今年もよろしくお願いします。

新コミックマーケット99(在宅)サークル参加情報

こんにちは、朝森久弥です。

同人サークルCURIOSISTは、2021年12月30日・31日に開催される新コミックマーケット99に家でサークル参加します。

「家でサークル参加?どういうこと?」という話ですが、会場である東京ビッグサイトには行かず、家で作品を頒布・公開するということです。実際にサークル参加申し込みはしていません。

今回のコミックマーケットは一般参加者も事前に参加チケットを購入する必要があるなど、さまざまな制約が設けられています。このため、2020年5月、2020年12月、2021年5月に開催されたエアコミケと同様、作品をオンラインで頒布・公開するのが、最も多くの人にCURIOSISTの作品を届けられると考え、このような措置を取らせていただきました。

このため、新コミックマーケット99のWebカタログを見てもCURIOSISTのサークル参加情報は載っていません。この記事やサークル公式サイト朝森久弥のTwitterなどをご参照いただくようお願いします。

 

おしながきは、以下の通りです。

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コミックマーケット99 CURIOSISTのおしながき

 

CURIOSISTが新コミックマーケット99で出す新作は、次の2点です。

◎評論同人誌『進学校Map 三訂版 vol.2[中部・関西編]』

クイズゲーム『アマゲチッタ!!2 未完のオタクアイランド』

 

進学校Map 三訂版 vol.2[中部・関西編]は、朝森久弥が長らく手がけている進学校Mapの書籍版で、三訂版ではvol.1[中国・四国・九州編]に続く2冊目です。

www.youtube.comメロンブックス通販BOOTH通販で買うことができます。頒布開始日は12月31日のため、それまでは予約を受け付ける形となります。

もしかするとメロンブックスの一部の店舗で販売されるかもしれませんが、基本的には通販を考えておけば間違いないと思います。

委託手数料の都合で、メロンブックスでは1980円、BOOTHでは1550円と頒布価格が異なります。送料などの兼ね合いでどちらがお得かはケースバイケースですが、都合の良い方でお買い求めください。

www.melonbooks.co.jpcuriosist.booth.pm

また、2021年5月に頒布開始した既刊進学校Map 三訂版 vol.1[中国・四国・九州編]は、メロンブックスとBOOTHで引き続き通販していますので、vol.2と併せてお買い求めくださいませ。

www.melonbooks.co.jpcuriosist.booth.pm

 

『アマゲチッタ!!2 未完のオタクアイランド』は、CURIOSISTの伝統芸能であるクイズゲームの記念すべき20作目です。ROM版(有料)の頒布予定はなく、最初からWebで無料公開します。

www.youtube.com

上のPVで紹介している通り、オタク知識でバトルするRPGクイズゲームです。大阪湾に現れたテーマパーク型博物館「オタクアイランド」で、アニメ・マンガ・ゲームなどにまつわる幅広い年代(戦前~2021年11月)のクイズを解いていきます。

Webで公開と言いましたが、具体的にはゲームアツマールふりーむ!で公開予定です。新コミックマーケット99が始まる12月30日のできる限り早い時間帯に公開したいと考えています。ゲームアツマールではブラウザ版、ふりーむ!ではダウンロード版として公開を検討していますが、いずれにせよスマートフォン・パソコンの両方で遊べるようにします。ゲーム実況(実況プレイ)も大歓迎です。

 

『アマゲチッタ!!2 未完のオタクアイランド』は最後まで無料で遊べますが、このゲームに収録するクイズのネタ本となった『教科書 日本オタク文化』(上巻・下巻)メロンブックスで通販しているので、ゲームを買う代わりにと言ってはなんですが、お買い求めくださるとうれしいです。

www.melonbooks.co.jpwww.melonbooks.co.jp

 

ほかにも、BOOTHで過去に頒布したゲームのROM版や同人誌を通販していたり、WebでCURIOSISTのゲームが無料で遊べたりするので、それらも併せてお楽しみください。とくに『オタク年齢診断』はCURIOSISTでは空前絶後のヒット作となっています。

curiosist.booth.pmgame.nicovideo.jp

 

会場で参加する方も家で参加する方も、みんなで楽しいコミケにしていきましょう!