徒然CURIOSISM

同人サークル「CURIOSIST」主宰・朝森久弥の雑文の集合体です。

マイベストブック2019

こちらも恒例となりました朝森久弥の「マイベストブック」、すなわち2019年に読んだ本のうち、私の人生に特に影響を及ぼした本を紹介するコーナーです。
マンガ部門とマンガ以外部門に分けて発表します。

 

マンガ部門

ぼくたちは勉強ができない

ぼくたちは勉強ができない 1 (ジャンプコミックス)

ぼくたちは勉強ができない 1 (ジャンプコミックス)

  • 作者:筒井 大志
  • 発売日: 2017/06/02
  • メディア: コミック

がんばる子たちはカッコいい!どこを開いてもカワイイ!

ブコメスキーであり教育クラスタである私がこのマンガを見過ごすわけがないのですが、当初は単行本は買っていませんでした。転機になったのは2回目の人気投票のとき。主人公の妹・唯我水希がコミックスの幕間で活躍していると聞き、「これは買うっきゃねぇ!」と全巻揃えて現在に至ります。

私的に一番愛でていたいのが水希、恋人になってほしいのは桐須美春、生き様に共感するのは関城紗和子です。とくに紗和子は勉強ができることを同級生にバカにされた過去があるんですが(単行本8巻参照)、それがヒロイン・緒方理珠によって救済されたことは、私にとっても救いでした。ジャンプってそういうところ無頓着かと思っていたのに(偏見)。去年のマイベストブックであるDr.STONEもそうですが、勉強をひたむきに頑張る子も肯定してくれる、そういう時代になったんだと実感しました。

ブコメとしては、ベタをことごとく撃ち抜いていくスタイルですが、ベタこそが志向派の私は「こういうのがいいんだよ」と言わざるを得ません。加えて、キャラの顔芸が話を追うごとに磨きがかかっており、顔芸界隈では10年に一人の逸材と言っても過言ではないでしょう。いわゆるヒロインレースに誰が勝つかは分かりませんが(2019年末現在)、ある意味で成幸が一番ヒロインしてるんじゃないかなと思います。成幸カワイイ!

 

マンガ以外部門

武器としての世論調査

武器としての世論調査 (ちくま新書)

武器としての世論調査 (ちくま新書)

  • 作者:三春充希
  • 発売日: 2019/06/06
  • メディア: 新書

可視化して、社会を変えるとはこういうことだ!

著者である三春氏の政治的スタンスは、はっきり言って偏っています。しかし、彼はそれを隠そうとせず、自らの正義に基づき社会を変えるために、世論調査を分析している。だから「武器としての」なのです。このことは、彼が世論調査を曲解していることを意味しません。むしろ、努めて冷静に現実を直視している。いかなる立場であろうと、正確な現状認識こそが勝利への道と確信しているその姿勢に、曲がりなりにも情報発信する私たちは、見習うべきところがあるのではないでしょうか?

この本はちくま新書から出ているのですが、口絵がフルカラー、本文が2色刷りという贅沢仕様です。おかげで、世論調査から導き出された数々のグラフや地図の情報量が見事に保たれています。世の中の新書も多少値段上がっていいから、これくらいカラフルにしてほしいものです。

私も選挙については人一倍興味関心がある方ですが、ここまで精緻に分析している人を見つけてしまうと、今まで上げてきた分析記事(これとかこれとか)は児戯でしかなかったなと自覚してしまいました。けれども、これでめげるような私ではありません。『進学校Map』をはじめ、学校教育に関する調査分析で、彼に負けないよう頑張りたいと思います!

 

 

ノミネート作品

 マイベストブック2019のノミネート作品は以下の通りでした。
(並び順が順位を表すわけではありません)

 

【マンガ部門】

・正直不動産(小学館

ぼくたちは勉強ができない集英社

・彼女、お借りします(講談社

ナナマルサンバツKADOKAWA

・漫画家しながらツアーナースしています。(集英社

 

【マンガ以外部門】

・教育格差(筑摩書房

・コンビニ外国人(新潮社)

・男が痴漢になる理由(イースト・プレス

・みえるとか みえないとか(アリス館)

・武器としての世論調査筑摩書房

 

マンガか否かを問わず、学習要素のある本のノミネートが目立ちます。

『正直不動産』は、不動産業界を舞台にしたお仕事マンガで、『漫画家しながらツアーナースしています。』はその名の通りツアーナースをテーマにしたお仕事マンガです。いずれにも共通するのが、主人公の仕事への真摯さ。辛いことは多々あれど、自分の専門をきちんと活かしてベストを尽くす姿は、誰が見ても心を打つものだと思います。

『コンビニ外国人』はいわゆる外国人労働者の、『男が痴漢になる理由』は痴漢加害者男性の実態をつまびらかにした本です。どちらもイメージ先行で語られることが多いトピックだからこそ、こうした専門家による確かな情報提供が価値を増すのです。『みえるとかみえないとか』は絵本で、啓蒙要素を含むのですが、ヨシタケシンスケの絶妙なタッチに触れられる今の子たちは本当に恵まれているなぁ!と思いました。

 


今年も素晴らしい本に出会えますように。